切手収集ブーム!あの時のような再来の可能性はある?

雑学

先日実家に行った時、何か面白い物でもないかなと物置を物色していたら、父親が昔集めていた切手コレクションが出てきました。父親によると、当時は切手収集が流行っていてブームに乗っかったようですが、今ではすっかり忘れていたとのこと。

数十年経った今でもきれいに保存整理されている切手を眺めると、見たことも無い切手もあります。この中には、それなりに価値がある切手もあるんじゃないかなと思ってしまいます。

数十年前は身近な人が趣味で切手収集をしているものでしたが、現在は切手収集しているという人はあまり見かけませんよね。今になって、切手収集のブームは再来するのでしょうか?

古い切手が今でもきれいに保存されているんだし、せっかくなので調べてみました。

切手取集ブームとは?

切手収集ブームは、日本で1950年代後半~1970年代に流行った趣味の一つです。昭和で言うと、昭和40年代がブームのピークだったとされています。

ブームの発端となったのは、1957年にお菓子メーカーのグリコが商品のおまけに「世界の切手をあなたに」として、キャンペーンで切手を入れるようになったからと言われています。

その後1957年以降から1960年代には切手を収集する人が増え、日本では社会現象になるほどの切手収集ブームが起こりました。

この頃の日本は高度成長期で、戦後の経済が上向きになった時代でもありました。その時代の日本が趣味に費やすことのできる余裕が出てきた世の中になった、ということもブームの背景にあります。

1960年代の切手収集ブームでは、新しい記念切手が発売されるたびに郵便局には朝から長蛇の列ができました。また、少年雑誌やお菓子メーカー、調味料メーカーなどでも切手がおまけになっていたことから、大人から子供までが切手収集に熱中したと言われています。

切手は、大体は1枚で100円以下で買うことのできるものです。誰でも手軽に始められる趣味としてブームになった切手収集は、友達同士でお互いに自慢する小学生の姿も見受けられるようになるまでに世の中で浸透しました。

切手の価値とは?

このブームの最中、過去に発売された記念切手の中には高価な価値を持つものもある、と収集家の中で憧れの切手の存在が出てくるようになりました。

特にブームより以前に発行され、枚数が限定された切手にはプレミアがつくようになりました。しかし、人々が記念切手を競って買うようになると同時に発行枚数も急増し、記念切手の希少価値はなくなっていきました。

今でも特に人気も価値もある切手として有名なのが、1948年に発行された「見返り美人」です。1枚5円の切手なのですが、150万枚の限定発行のため現在でも5枚綴りで3万円の値段が付くほどの貴重な切手になります。

他にも、現在でも人気の記念切手には以下のようなものがあります。

  • 明治天皇銀婚(1894年発行)
  • 万国郵便連合加盟50年(1927年発行)
  • 月に雁(1949年発行)
  • ビードロを吹く娘(1955年発行)

とはいえ、ブームの最中では非常に価値のあった切手も、現在は徐々に価値が下がってきていると言われています。

切手収集ブームは再来するのか?

日本では、国民が熱中するような切手収集ブームは遠く昔に過ぎ去ったものですが、現在でも少なからず収集家は存在しています。しかし、その数は年々減少していると言われています。

日本最大の郵便切手文化の継承団体である「日本郵趣協会」の会員数が毎年5~6%減少しています。この様子から、世の中の切手収集家の数も減少しているのではないか、とみられています。

減少の理由は、切手収集家だった人も高齢となり終活としてコレクションを手放す人や、亡くなったりする人もいるためとしています。

また、現代では趣味が多様化していることや、郵便を使わずとも通信できる世の中になってきているため、切手が身近なものでなくなってきていることも切手の価値が下落する一因になっています。

今後、一時のような切手収集ブームが訪れることは無いと言われています。しかし、中国で発行された珍しい切手に高値が付いたり、戦時中の外国切手に注目が集まったりと、ブームまではいかなくてもその手のコレクターが存在しています。

古い切手を取引する場もあることから、昭和の切手収集ブームとは違いますがアンティークとしての市場はあると言えます。

まとめ

父の切手コレクションをざっと見てみると、見返り美人や月に雁などのようなお宝切手は無かったです。堅実だった父の場合、記念切手を買いに走るというよりも、使用済み切手を丁寧に整理して保管しているような状況でした。

几帳面な父らしい切手収集ノートを見て、若い頃の父を思い出し何だかほほえましく思いました。高齢になり切手のことも忘れていたようですが、本人にとっては宝物だった過去があるんですよね。

今では何の執着も無い切手だから片付けてもいいよ、と父に言われたのですが、調べてみると使用済み切手を途上国の子供たちの支援として有効活用できることがわかりました。

自宅に持ち帰って良く調べて、支援に役立てたいなと思います。

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