神無月と神在月の由来!出雲大社に関係があるってホント?

雑学

私の友人に「なづき」という名前の女性がいます。彼女とは高校生以来ずっと仲良くしていて、お互いの子供も同じ高校に入学したことで、なお一層交流が深まりました。

以前、名前の由来を聞いたことがあって、10月生まれの旧暦では「神無月」と呼ばれていることからちなんだ、と言っていました。妹さんは「はづき」なので、8月生まれかと聞いたら、やっぱりそう。

日本的で季節感を感じられて、いい名前ですよね。そういえば、私たちは神無月と言っている季節ですが、神在月としている場所もあるんですよね、確か。

神無月と神在月ってどんな由来があるのでしょう?神様の在る無しに関係しているのでしょうか、気になるので調べてみましたよ。

旧暦と新暦の違いとは?

まずは、季節やに関することから説明していきますね。神無月と神在月の由来とも関係の深い話になりますよ。

日本は、江戸時代から明治時代に変遷する時に、様々な生活様式が変化してきました。暦(カレンダー)も、1873年(明治3年)までの使用されていた旧暦から新暦へと変化しました。

月の満ち欠けと太陽の運行を組み合わせて作られた旧暦から、太陽が地球を1周することで1年としている新暦になることで、今まで認識していた季節より1ヶ月ほど早いカレンダーになってしまいました。例えば、現在の4月は旧暦では3月となります。

桃の節句と言えば3月ですが、桃の花は咲くにはまだ早い時期ですよね。これは、旧暦で3月におこなわれていた桃の節句が今で言う4月だったからです。そして、3月は草木が生(弥)える「弥生」というように、日本人は旧暦の季節に合った月の名前を付けていました。

10月は神無月、島根では神在月という

旧暦の月に和暦として、日本人はそれぞれの季節の意味合いを持たせた名前を付けていましたが、10月は神無月と呼ばれています。読み方は、「かんなづき」や「かみなしづき」といいます。漢字を見ると、神が無い月という字が充てられています。

また、同じ10月、島根県では「神在月」と呼ばれています。「かみありつき」、神の在る月です。神無月・神在月とは旧暦でいうと10月、現代では11月頃のことを指す時期になりますね。

秋も深まり冬に近付いて寒くなるこの時期、他の月の名前は季節感のある字が充てられていることが多い中、突然のように出てきた「」という字に違和感を感じませんか?

しかし、なぜ島根県以外では神無月と呼ばれる一方、島根県だけは神在月となったのでしょうか。由来について紹介していきますね。

旧暦の10月は出雲大社で神様の会議がある

古来より日本人は、自然や自然現象、災い、思考など全ての物事に神様が存在していると考えてきました。数えきれないほど無限の神様たち「八百万の神々」と呼び崇めていました。

その神々が1年に1度集まり会議を行う場所があります。日本の成り立ちが記された古事記や日本書紀にも書き表され、現代まで大切にされている場所、それが島根県にある「出雲大社」になります。

出雲大社は、大地の神である大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)が祀られています。全国に散らばっている大国主大神の子供たち(これも神様)を呼び寄せ、その年にあった出来事を報告したり次の年の相談をしたりと毎年会議をおこなっている、とされているんですよ。

議題は、翌年の天候についてやお酒の出来、誰と誰の縁を結ぼうか(縁結び)などと言われていて、現代でも出雲大社が「縁結びの総本山」と呼ばれている所以にもなっています。

このように、旧暦の10月には出雲大社で全国の神様が一同に集まって会議をするため、島根以外の土地では神様が居なくなってしまいます。

そのため、島根以外では神無月と呼ばれるようになったと言われているんですよ。そして、全国の神様が集まる旧暦10月は、島根にとっては「神在月」となるんですね。

旧暦10月におこなわれる神事とは?

出雲大社では、旧暦の10月10日から10月17日まで「神在祭」(かみありさい)という神事をおこないます。全国の神様たちは、神在祭に向けて旧暦の10月1日にそれぞれの場所から出雲に向けて出発し、神在祭を終えると旧暦の10月末に元の場所に戻って来ます。

現代の出雲大社でも、旧暦の10月10日には全国の神々を稲佐の浜で迎え御本殿へ連れていく神迎祭を経て、翌日から1週間を神在祭、そして神様を送り出す神等去出祭(からさでさい)を執り行っています。

この期間中には、夜には神楽殿で夜神楽が開催されていますよ。毎年この月には、60万人が訪れるほどの大きな神事となっています。

毎年、旧暦の10月に神迎祭に合わせていますが、新暦にすると1ヶ月弱先の時期になります。2020年では、新暦の11月24日が神迎祭となりますよ。

10月は島根以外の神社には神様は居ない?

旧暦の10月に、出雲大社へ全国の神様が出張してしまうことになると、私たちの住む場所のいつもの神社には神様が居ない、ということになります。その時期に参拝しても、神様にお会いすることができないのでしょうか?

神無月の時期、出雲大社に行ってしまった神様の代わりに、神社の留守番をしてくれる神様が必ず居ると言われています。「恵比須神(えびすしん)」や「金毘羅神(こんぴらしん)」、「竈神(かまどしん)」、「道祖神(どうそじん)」などの神様が神社を守ってくれているんですよ。

毎年の神無月には、この留守神に感謝する祭りとして「えびす講」をおこなっている地域もあります。

まとめ

私の住む地域では、雛祭りが4月3日とすることもあります。子供心に、なぜ雛祭りを3月にやらないのかよくわからなかったまま、今に至っていましたが、旧暦で雛祭りをおこなっていたということなんですね。

ここでは、3月はまだ寒く雪も降ることもあり、桃の花どころか梅の花も3月下旬に見頃になるぐらいですから。

旧暦の10月、神無月に毎年神様が出雲大社に出張していて、えびす様がお留守番をしている、というのも納得でした。近所の神社で毎年のえびす講が開かれるのにも、神無月が関係していたことに驚いています。

そうやって考えると、神在月の出雲大社に行ってみたくなりますよね。いつか必ず、八百万の神様たちに会いに行ってみようと思います。

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