領収書の宛名を自分で書くと違法になる?基本ルールを見直そう!

知りたい事

私は小さな会社の事務をしているのですが、年末などの年末調整や決算など経理的な繁忙期を除いては、いつものように月時業務をこなす毎日を送っています。

他の人からしてみたら、毎日同じような業務の繰り返しのように見える作業のようです。とはいえ、この仕事って数字など細かな気付きが必要で経験が物を言う仕事だと、自分では思っています。

ところで、最近、気になることがありました。入社2年目の営業さんが領収書を持ってきたのですが、「宛名が書かれていない場合に自分で記入してしまったら、これって違法になるんですよね?」と言われました。

私、今まで宛名が白紙の領収書や、明らかに宛名を自分で書いたような領収書を見たことがありますが、そのまま処理してしまいました。金額に間違いがないなら問題はないのかと、何の疑いも無く・・・。

不安になってきました。宛名が書いていない領収書に名前を自分で書くこととは違法なのでしょうか?早急に調べてみました!

領収書に宛名が必要な理由とは?

領収書とは、お金を支払ったり、受領した証明書になります。また、特に支払いをした方にとっては、領収書が無い場合には金銭のやり取りがあったにもかかわらず証明ができなくなります。

領収書に記載する内容については、以下のように消費税法に決められた項目があります。

  • 金額
  • 領収書の受取人(宛名)
  • 発行者
  • 取引日時(日付)
  • 取引内容(但書)

領収書に以上の内容が記載されていないと、トラブルになる可能性があります。

例えば、金額や宛名が記入されていない場合に、事実とは違う内容に改ざんされてしまうことがあるため、正確な情報を記載する必要があります。

宛名に限らず、決められた内容を記載していない領収書を受け取った場合には、後に処理を行う経理や税務署で経費として認めてもらえない、という状況になりかねません。

とはいえ、宛名のない領収書をもらう機会は往々にして存在しますよね。どうしたらいいのでしょう?

宛名が記入されていない場合には?

税理士など税務関係の専門家によると、宛名の欄に記入が無かったり、「上様」のように明確に名前が記載されていない領収書は、前提としては認められないという見解になります。

とはいえ、受取人の名前を正確に記述していない領収書でも「少額不追及」という考え方があって、少額であれば経理上の処理の面では特に問題になる可能性は低い、と言われています。

社内の経理であれば、業務に関係のある金銭について確認できれば処理はできたとしても、数年に一度おこなわれる税務調査でこの領収書については認めてくれるのかどうか、という心配事が起きてきます。

しかし、どういった目的で支払った費用であるのか、事業との関連性が明らかに認められる場合には、宛名が白紙の場合でも経費として認めてもらえることがあります。

よって、宛名が書いていない領収書に記載された金額が高すぎる、事業との関連性がわからない、どんな目的で支払ったのか不明瞭などの場合には、税務署のチェックが厳しくなる可能性があります。

領収書の宛名を自分で書くとどうなる?

領収書には、宛名を記入してもらった上で受け取ることがベストだとわかりましたが、宛名が書いてなくても認められることもあることもわかりました。

とはいえ、宛名だけが書いてない領収書とは、どうしてか後ろめたさを感じてしまいます。宛名が無くてすんなり認めてもらえないなら、自分で宛名を書き足してしまえば物事がスムーズにいくのではないか、とも思いますよね。

しかし、領収書は金銭を受領した側が内容を書き込むルールになっています。

仮に、領収書の宛名を自分で書いたことがわかると、「有印私文書偽造罪」となる可能性があります。この場合の法定刑は、3月以上5年以下の懲役となります。

また、領収書が本当は他人の領収書で、宛名を自分で書くことで不正に会社から金銭を受け取っていた場合には、詐欺罪に問われます。この場合の法定刑は、10年以下の懲役になります。

領収書に自分で宛名を書くことは、違法になります。

税務調査では、領収書の宛名を自分で書いたように疑いを持たれた場合には、宛名の筆跡を調べて確認をします。宛名を自分で書いたことが原因で、変な誤解を招いてしまう可能性があるので、絶対にしないようにしましょうね。

まとめ

これから会社の皆さんには、領収書をもらう時には必要事項を全て記入してもらうようにお願いしようと思います。それと、宛名を記入してもらえなかった場合にも、自分で勝手に書かずにそのまま提出してもらいます。

もし、税務調査であらぬ疑いを掛けられて説明ができないことがあるのは、経理担当としては本当に不安です。どんな小さな領収書の書き変えでも、違法になるのは知りませんでした。

これから、領収書の扱いには目を光らせつつ気を付けたいと思います。

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