高野山の宿坊おすすめ3選!外国人ウケ必須

おすすめ・コツ

去年の夏、フランス在住の友人が、
帰国の際、ウチへ遊びに来てくれました。

友人は2年に一度ぐらいの割合で、
日本へ帰国するのですが、
その時は必ず泊まりにきてくれるのです。

小学校時代からの幼馴染なので、
もう気心は知れたものです。
ウチは彼女にとってすっかり常宿状態です。

今回はフランス人の旦那様も一緒で、
そのぶん、準備にてんやわんやでしたが、
楽しいひとときを過ごせました。

旦那様は以前、
3年ほど日本に住んでいたことがあり、
日本が大のお気に入り

その旦那様から、
ぜひとも、ということで、
今回、頼まれごとをされてしまいました。

次の来日のときは、
ぜひとも高野山へ泊ってみたいので、
いい宿を紹介してほしい、というのです。

高野山
日本的情緒を味わいたいなら、
京都か奈良へ行けばいいのに。

なぜに高野山

実は2009年発行のミシュランガイドで、
高野山が三ツ星を獲得して以来、
フランスでは高野山が注目されているのだとか。

山の上にある隔絶された、
神秘的な宗教都市

フランス人の間では、
どうもそういう位置づけのようなのです。

まあ確かに、
高野山は山上の町全体が、
でっかいお寺の境内みたいなものです。

それが、外国の人にとって、
神秘的に映るのは、
ありえることかもしれません。

友人の旦那様は、
そんな高野山の、できればお寺に、
ぜひとも滞在したい、とのご要望。

要するに宿坊ですね。

勢いで安請け合いをしたものの、
果たして外国の人が満足するような、
宿坊があるものなのか?

一抹の不安を覚えつつ、
調査を開始してみました。


宿坊ってどんなところ?

高野山は、真言宗の開祖、
弘法大師が開いた、
日本の聖地のひとつです。

山上には有名な金剛峯寺をはじめ、
117もの寺院が密集し、
そのうち宿坊は52にのぼります。

宿坊とは、
お寺付属の宿泊施設のことです。

もともとは、遠方からの、
僧侶や参拝者のために、
提供されたものだったんですが

現代では観光客を、
積極的に受け入れているようです。

そして驚いたことに、
この宿坊が、いま外国人に大人気なのです。

そもそも宿坊はお寺の施設ですから、
サービス業に徹した普通の旅館とは、
多少、趣が違っています

実はそこが、外国の人にとって、
すこぶる魅力のようなのです。

まず、お寺という、
宗教施設そのもので、過ごせること。

食事は、肉、魚がご法度の、
外国人には珍しい精進料理

そして極めつけは、
朝の勤行や護摩行、法話会などに、
参加できること。

まさに海外の人にとっては、
日常の宗教生活を、ナマで体験できる、
貴重な場所と言っていいかもしれません。

実際、2004年に、
高野山が世界文化遺産に登録されて以来、
外国人観光客の数はうなぎ登りなのだとか。

特に、前述したように、
2009年ミシュランガイドで、
三ツ星を獲得してからは、

宿泊客の5人に一人は外国人で、
そのうち欧米人の占める割合が、
圧倒的に多いそうです。

調べてみてビックリです。
昔は高野山に、外国人の姿なんて、
影も形もなかったのに。

まさにエキゾチックジャパン!
ですね。

外国人にオススメの宿坊3選

そこで、数ある高野山の宿坊のなかでも、
インバウンド客に喜ばれそうなところを、
3つに絞ってみました。

  • 恵光院(料金:約11,000~17,000円)
  • さまざまな宗教体験ができる、
    という意味では最適な宿坊です。

    早朝の護摩祈祷は自由参加、
    阿字観と呼ばれる真言式座禅瞑想や、
    写経も、無料で指導を受けられます。

    また、特に外国人観光客に、
    人気の高いプランが、
    奥の院のナイトツアーです。

    これは夜半に高野山の奥の院を、
    僧侶が案内してくれるというもの。

    奥の院は、うっそうとした杉木立に囲まれた中、
    古い墓碑が立ち並ぶ、約2キロの道で、
    一番奥に弘法大師の御廟があります。

    昼間歩いても、森閑として神秘的ですが、
    これが夜となると、雰囲気抜群

    英語が堪能なガイドさんの解説付きで、
    外国のお客さんには大好評のようです。

  • 無量光院(料金:約11,000円~13,000円)
  • 年季の入った古い建物で、
    お寺に泊まっている、
    という実感は、抜群です。

    町のほぼ中央に位置しているうえ、
    宿泊時間外に荷物も預かってもらえるので、
    観光するにはとても便利です。

    また、こちらの宿坊の強みは、
    外国人の僧侶の方が数人いる、
    ということです。

    言葉に不自由しないうえ、
    真言密教について、英語やフランス語で、
    詳しく解説してもらえます。

    日本の仏教文化をより深く知りたい、
    というアカデミックな外国のお客さんには、
    最適と言えるでしょう。

    もちろん、早朝の勤行も体験できます。
    薄暗い中で聴く読経は、雰囲気満点です。

  • 不動院(料金:約15,000円~20,000円)
  • 大通りから少し奥まった場所にある、
    静かな環境の宿坊のため、
    高野山の静謐さを味わうには持ってこいです。

    料金はちょっとお高めですが、
    旅館なみの待遇が受けられる、
    贅沢な宿坊です。

    部屋も立派で、精進料理も料亭並み、
    と評判のようです。

    プランによっては、
    檜風呂付の離れ部屋を、選ぶこともできます。
    もちろん、それなりのお値段はしますが。

    宿坊は体験したいけれど、
    あまりハードルが高いのはちょっと…
    できれば、雰囲気だけ味わいたい。

    という、ゆるい希望の、
    外国人観光客にオススメです。

    正座が苦手な外国人のために、
    食堂はテーブル席が用意されていますし、
    早朝の勤行も、椅子席で体験できます。

    また、ご住職が英語が堪能なため、
    外国語でのレクチャーを受けることもでき、

    海外のお客さんにとっては、
    至れり尽くせりの配慮となっています。

おわりに

さて、以上の調査結果を、
友人にメールしたところ、

旦那様は、恵光院がいたく気に入って、
ぜひ護摩行ナイトツアーに参加したい、
とのこと。

今年の夏には夫婦で行ってみたい!
と張り切っているようです。

特に、護摩行は興味しんしんらしく、
燃え上がる炎の前での祈祷が、
ものすごく神秘的に感じるそうです。

ちなみに私も一緒にどうかと、
お誘いを受けたのですが、
今回はご遠慮しました。

護摩祈祷に参加するには、
私には煩悩が多すぎます(笑)

日常的に仏教的感覚が染みついている、
私たち日本人と、外国の人とでは、
やはり面白い、と感じる視点が違うんだなあ。

それを今回しみじみと感じました。
日本を再発見したような気持ちです。

ぜひ、いい旅の報告が、
聞きたいものです。

タイトルとURLをコピーしました