イースターの本当の意味とは?そこにはキリスト教との深い関わりが!

雑学

ロンドンに住んでいる友人のインスタが更新されました。明日のイースターのお祭りのために焼いた、お手製のケーキ画像がアップされています。ヒヨコのお菓子が乗っている可愛いケーキです。

でもイースターって、何のお祭り?日本ではあまり話題に上らないので、意味や意義が全くわかりません。そんな私に、友人が優しく解説してくれました。

イースターってなに?

イースターとは、キリスト教徒のお祭りのことで、日本では「復活祭」と訳されます。復活とは、イエス・キリストの復活です。

新約聖書では、繰り返しキリストの復活が語られています。十字架に磔にされ処刑されたキリストが、死から3日経って蘇った、という話です。

そして「キリストの復活があったからこそ信仰は保たれた」と聖書が語っているように、この復活は、キリスト教の教理にとって、最も重要なファクターとなっています。

なぜなら、復活は神の大いなる霊力のたまものであり、イエスにおきた奇跡は、あらゆる信徒が死と苦しみを超越できることを意味しているからです。

このため、キリスト教徒にとっては、キリストの誕生を祝うクリスマスより、キリストが復活をとげたイースターのほうが重要である、とも言われています。

イースターにまつわるいろいろ

日取り

イースターは春のお祭りです。時期は「春分の日の後にくる最初の満月の日、そのすぐ後の日曜日」となっています。毎年同じ日ではなく、月齢や曜日の並びによって、年ごとに変わります。

またこの祝祭日は、教派によっても変わります。キリスト教は大きく分けて、西方教会(カソリック、プロテスタント)と東方教会(ロシア、ギリシャなどの正教会)に分かれています。

このうち、西方教会は、新暦であるグレゴリオ暦、いわゆる現代の暦を使用して、祝祭日を割り出します。一方、東方教会はユリウス暦という旧暦を使用しています。

ユリウス暦は太陽年との誤差が大きすぎるため、16世紀末に廃止されたた暦ですが、新暦への改定を提唱、推進したのが西方教会のカソリック派であったため、反発した東方教会が、いまだにユリウス暦を使用している、というわけです。

ちなみに、その二つの暦によるイースターの祝祭日を比べてみましょう。かなり違いがあることがわかります。


イースターエッグ

イースター当日は、各家庭で、カラフルなイースターエッグを用意して飾り付けます。手作りのものあり、市販品あり、いずれもそれぞれに意匠を凝らした卵を飾って復活を祝います。これには何か意味があるのでしょうか?

聖書の一節には、マグダラのマリアがローマ皇帝に赤い卵を贈って、キリストの復活と昇天を示唆した、という一節があります。この場合、卵は殻を打ち破り復活をとげたキリストを、赤い色はキリストの血を象徴しています。

このエピソードがやがて、イースターの当日、親しい人に赤い卵を贈る、という古代キリスト教徒の風習となり、それが時を経て、現代のスタイルに至ったと考えられています。卵は生命の誕生と復活を意味しているのです。


イースターバニー

イースターには卵とともに、イースターバニーと呼ばれる、ウサギの置物やウサギの形をしたチョコなどを飾ります。でもなぜウサギなのでしょう?

ウサギは、もともとキリストの復活とは何の関係もなく、聖書にも登場しません。ウサギが関連付けられたのはそう古い話ではなく、一説によると、17世紀頃、ドイツのある西方教会が、イースターをもっと楽しいものにしようと取り入れた、と言われています。

また、イースターの名称は、ゲルマン神話の春の女神「エオストレ」に由来しており、この女神の使いがウサギであったことから、イースター当日、子供たちにお菓子を運んでくる動物が、ウサギとなった、と言う俗説もあります。

いずれにしても、もともと多産なウサギは、ヨーロッパでは古来より豊穣と繁栄の象徴とされてきました。春の祝祭が、豊穣を象徴する春の女神、ひいてはウサギと結びついたのかもしれません。

もちろん、ウサギが登場するのは、それを取り入れた西方教会のお祭りだけで、東方教会には存在しません。このあたり、根深い宗教対立を感じますね。


過ごし方

キリストの復活を祝うお祭りなので、まずは教会の礼拝に参加し、復活を祝います。その後、この日のための特別な料理を家族と一緒に囲みます。例えばイギリスでは「シムネルケーキ」という11個のマジパンが乗った、イースターのためのケーキを用意します。

子供たちのお楽しみとしては、「エッグハント」や「エッグスプーンレース」などのゲームがあります。エッグハントは、卵の形をした容器の中にお菓子やおもちゃを詰めて、それを家の中や公園にばらまき、宝探しならぬ卵探しをしてもらうゲームです。

またエッグスプーンレースは、スプーンの上に卵を乗せて、それを落とさないで走り1等を競うレースです。いずれも、卵がモチーフ。イースターならではの遊びです。

おわりに

なるほど。キリスト教の文化圏にいないと、確かにこのイースターの意味はわかりませんね。考えてみれば日本独自の風習である「桃の節句」や「端午の節句」も、キリスト教文化の方々からしたらよくわからない風習かもしれませんね。

世界にはいろんな思想があっていろんな慣習がある。グローバル社会と言われながらも、まだまだ知らないことがたくさんあるのだな、と痛感しました。

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