上司の異動が決まったら?お礼のメッセージを送ろう!

マナー

春の人事異動が近づいてきたある日。隣の営業部では、部長さん他の営業所へ赴任することになったので、送別会の準備が進んでいるようです。

そんな慌ただしい中、営業の新人Dくんから相談を受けた私。いったい何事かと思いきや…。

「実は移動する上司お礼のメッセージを送らなきゃならないんですけど、うまい文章を考えてもらえませんか?」

はあ?メッセージ?それぐらい自分で考えなさいよ!とちょっとイラッとしてしまいましたが、彼が言うには、自分は作文能力皆無なので、とんでもない失礼な内容になりかねないので不安だ、とのこと。確かにそれはキケンですね。

まだ若く経験も浅いDくん。やはり部長となると気を遣うのでしょう。なので、ここはひとつ大人になって、一緒に考えてあげることにしました。



メッセージを送るときの注意点

上司に送るお礼メッセージですから、やはり失礼のないよう気を配らなくてはなりません。とりあえず以下に注意点を挙げてみました。

  • 関係性を把握しておく
  • 要するにその上司とどれだけ親密だったか、ということですね。直属の部下で、たまに飲みに連れていってもらったりした立場の人と、部署が違うのであまり直接的な関わりがなかった立場とでは、やはりメッセージの内容は変わってくるというものです。

    親密な間柄ならば、お世話になったお礼を強調して書いてみてもいいと思いますが、そうでない間柄ならビジネスライクに簡潔にまとめておくほうが、まあ無難でしょう。

  • 異動の内容を知っておく
  • 上司の異動、と一口に言っても、その実状はさまざまです。栄転なら良いのですが、中には本意ではない地方への単身赴任もあるかもしれません。

    もし栄転なら、お礼の前に、まずは「おめでとうございます」の祝福のことばを記しましょう。それ以外は「お疲れさまでした」と、ねぎらいのことばに留めておくことをオススメします。

  • 単語に気を付ける
  • 祝儀不祝儀と同じく、異動のメッセージにも忌みことばがあります。例えば「落ちる」「苦しむ」「壊れる」「衰える」など、挫折や終息を連想させるようなことばはNGです。

    異動はあくまでも「新天地で躍進に向けた第一歩を踏み出す」と捉えておくことが重要です。なので、希望や安寧を連想させることば、「ご活躍」「ご発展」「ご健勝」などを使うほうがいいでしょう。

お礼のメッセージ文例

それでは、お礼メッセージ文例を挙げてみます。とりあえず、栄転と普通の異動に分け、それぞれ親密度の度合い2パターン用意してみました。なお、「●●部長」の箇所には、該当する上司の名前が入ります。

  • 栄転(親密度・高)
  • ●●部長
    この度はご栄転、誠におめでとうございます
    部長には仕事のことのみならず、プライベートのことまで相談にのっていただき、またその都度、親身なアドバイスをいただきました。本当に感謝の念に堪えません。

    今まで賜ったお言葉を胸に刻んで、これからも精進して参ります。本当にありがとうございました新天地での益々のご活躍を心よりお祈りしております。

  • 栄転(親密度・低)
  • ●●部長
    この度はご栄転おめでとうございます
    そして、長年にわたり私たち社員を支えてくださって、本当にありがとうございました

    部長のお姿をお見かけできなくなるのは大変寂しいことですが、いままで賜った数々のご尽力に報いることができるよう、私もなお一層努力していきたいと思います。
    部長今後のご活躍とご健勝をお祈り申し上げます。

  • 普通の異動(親密度・高)
  • ●●部長
    長い間お疲れさまでした。そして、公私にわたり、懇切丁寧にご指導ご助言いただき、本当にありがとうございました

    時には厳しいお言葉をいただいたり、また時には息抜きに食事に連れて行っていただいたりと、さまざまな形でお気遣いくださったこと、決して忘れません。お世話になりっぱなしで恩返しの一つもできていない自分ですが、今後の人生で少しでもお返しできるよう頑張っていきたいと思います。

    部署は変わりますが、また機会がありましたら、ご指導ご鞭撻をお願い致します。
    部長今後のご活躍とご健勝を、心よりお祈り申し上げます。

  • 普通の異動(親密度・低)
  • ●●部長
    長い間、お世話になりました
    部署が異なる私にまで、常日頃から何かとお気配りいただいて、心から感謝しております。部長の何気ない一言に、やる気をいただいたこともございます。本当にありがとうございました

    新しい職場でも、どうぞお体ご自愛ください。
    部長ご活躍とご多幸を、心よりお祈りしております。

おわりに
というわけで、Dくんには文例のうち、どれかをそのままコピペするか、あるいは適当にアレンジしてもらうことにしました。Dくんは大喜びです。

「いやー、さすがですねえ。こんな文章、自分じゃ考えつきませんよ。さすが年の功!」

・・・最後の一言は余計じゃないのか、Dくん?でも翌日、机の上に、有名スイーツ店の紙包みが置いてあるのをみて、帳消しにすることにしました。カワイイとこあるじゃない。

異動になっても、惜しまれる人でありたい、とつくづく思う今日この頃です。

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