先日、爪を切っていた娘があわてて、私の前にやってきました。
娘「大変、爪を切ろうとしたら、深爪になっちゃった!すごく痛いの!ママ、深爪の治し方を知ってる?」
娘の指を見ると右足の親指の爪が深くえぐり取られ、指先の皮膚が露出しています。どうやら、爪を切りすぎて深爪になってしまったようです。とりあえず、消毒薬で消毒したのですが、「かなり痛い」と言っています。
歩くときにもズキンズキンとして相当つらそうです。私は、治し方が分からないのでおろおろしてしまいました。しかし、幸いな事に、ナースをしている私の姉が泊まりに来ていたので、深爪の治し方を教えてくれました。
深爪するとどうなるの?
姉は皮膚科に努めているので、深爪をしてしまい悪化して、病院に来た患者さんをたくさん見ています。たかが深爪と放置しておくととんでもないことになってしまうそうです。
爪の役割
爪は、ケラチンと呼ばれるたんぱく質の一種から出来ています。ケラチンは髪の毛にも含まれる成分で、肉類、魚介類、卵、乳製品、大豆などに含まれています。ケラチンが足りないと爪が弾力性を失い、弱い爪になってしまいます。
爪は、指先を守ったり、物をつかんだり、細かい作業をするのに必要です。指の先には骨が爪の途中までしがありません。爪がなかったら、指先がグニャリとして、ものがつかめなくなってしまいます。
足の爪は体を支えてくれる役目があります。爪が無かったら体のバランスが保てず、立ったり走ったりするのに非常に不便になります。
深爪とは
爪は一般に爪と呼んでいる爪甲(そうこう)の裏側に、爪床(そうしょう)という組織があります。深爪とは、爪を深く切りすぎたことによって、指先の皮膚や爪床の部分が、丸見えになってしまった状態です。
深爪した部分はズキズキと痛いので、手先の細かい仕事がしにくくなります。足指の場合は歩きにくくてとても不便になります。爪床部分は、毛細血管が多く、とてもデリケートな部位なので、普段は爪に隠れています。
ここは非常に組織が弱く、細菌に感染しやすい部位です。少々痛いと感じていても、化膿していなければ、特に処置は不要です。しかし、深爪が悪化してしまうと、爪の間に膿がたまることがあります。
深爪の治し方
もしも、赤くはれたり、出血してしまった場合は、消毒したあとワセリンを塗ります。ワセリンは皮膚を保護する作用があります。足の指が深爪した場合は、そのままでは靴を履いたとき痛いので、ガーゼを巻いて固定しておきましょう。
しかし、細菌感染してしまい、それが悪化して深爪した部分に膿がたまってしまった場合には、皮膚科や外科で治療することが必要になります。膿がたまった状態を化膿性爪囲炎もしくはひょう疽と呼んでいます。
ひょう疽の治し方としては、消毒や切開、抗菌薬などの方法があります。しかし、もっとひどくなると深爪した指の爪の一部、もしくは全部をはがす手術をすることになります。
爪をはがすので、かなり痛い思いをしなくてはなりません。また、爪が再びはえてくるまでには相当時間もかかり、それまで日常生活がとても不便なことになってしまいます。
爪の正しい切りかた
深爪で痛い思いをしないように、正しい爪の切り方を覚えておくと良いです。爪を切る時は横にまっすぐ切るようにします。角は弱くて割れやすいので切らずに残しておきます。
切りすぎないように、端の方から少しずつ丁寧に切っていきます。爪がやわらかくなっていることや衛生的になっていることから、お風呂上がりに切るようにします。目安としては、だいたい1~2週間に1回ぐらい切ればよいでしょう。
時々、爪を噛む癖の人がいますが、細菌が感染予防のためにも、爪を噛む癖をやめるようにしましょう。
まとめ
娘の場合は、それほど症状は深刻にならなかったので、足の親指の爪が細菌感染することはありませんでした。しかし深爪した部分が痛いために、相当つらくて、外出にかなり不便だったようです。
娘には、爪の大事な役割も教えるとともに、爪は深く切りすぎないこと、足の爪を切るならお風呂上りにすること、ひどくなると治療の為に爪をはがすこともあることなどを言い聞かせました。
痛い思いをして以来、娘は爪を切るときにはかなり慎重になりました。私も爪がいかに大事かを、つくづく教えられる機会になりました。