最近、天体観測にハマっている友人。
そこから、ギリシャ神話も気になり始め、
聞きたい事が、あるというのです。
天体観測なら、私も子どもの頃に熱中したので
お任せあれ!と思っていたら、開口一番、
『ギリシャ神話の、オリュンポス12神の
家系図って、何であんなに複雑なの?!』
え、私、ギリシャ神話なんて、
主神のゼウスが、多くの女神に
身ごもらせた事しか知らない・・・。
ってか、そのせいでギリシャ神話の家系図が
複雑になってるんじゃないのかしら?
友人も私も気になる、ギリシャ神話の家系図に
ついて、絡まった糸を二人で解いてみたので
ご紹介しますね。
ギリシャ神話とは
古代ギリシャ人が、想像の中で築いた神々と
英雄たちの物語ですが、最近の研究では、
古代メソポタミア地方の物語を引き継ぎ、
それを、ギリシャ人が神話として確立した、
という説もあります。
ギリシャ神話というと、全知全能の神、
ゼウスを頂点とした神話と思いがちですが、
最初に登場する神は、万物の産みの親である
大地の女神、ガイアです。
また、そのガイアもカオスという
巨大な空間の中から、産まれました。
オリュンポス12神とは
主神ゼウスを頂点として、彼の兄弟姉妹や
子供12神で構成される、神々の集まりです。
12神は、この地域で最も標高が高い、
オリュンポス山(2917m)に住んでいると、
古代ギリシャ人は、考えていました。
標高が高い為、山頂は年中、雪に覆われ、
山も雲に隠れて、神が住むにふさわしい
世界と考えていた為、と言われています。
ガイアとウラノスの子どもたち
ガイアは天空の神、ウラノスを産むと
彼との間に、ティタン神族と呼ばれる
12人(諸説あり)の神を、次々と産みました。
更に、一つ目巨神のキュクロプスたち、
50の頭と100の手を持つ
巨神ヘカトンケイルたちを、産みました。
しかし、夫のウラノスは奇形の
キュクロプス達を、冥界のタルタロスに
幽閉してしまいました。
夫の、仕打ちに憤慨したガイアは、末子の
クロノスに、復讐を加担させ、彼はウラノスの
生殖器を斧で断ち切り、海に投げ入れました。
この時の血から、復讐の女神エリニュスたちや
巨大怪人ギガスたちが、産まれました。
また、生殖器が落ちた海の泡の中から、
愛と美の女神、アフロディテが産まれたとも
言われています。
こうして、神々の世界の支配権は
クロノスが、握る事になりました。
ゼウス誕生
クロノスは姉妹のレアと結婚し、次々と
子供を産みますが、産まれてくる子に支配権を
奪われる、という予言を受けていたので、
産まれるたびに、子供を呑み込みました。
夫の仕打ちに、怒りを覚えたレアは、
末子のゼウスを身ごもると、クレタ島に
渡り極秘に出産し、クロノスには産着に石を
くるんで渡しました。
我が子だと思いこんだクロノスは、石を
呑み込んだ一方で、ゼウスはクレタ島で
山の女神たちに育てられ、立派に育ちました。
成長したゼウスは、兄弟姉妹を呑み込まれた
復讐をする為、クロノスに薬を飲ませました。
すると、石と共に、兄弟達が吐き出されました。
ゼウスが頂点に立つまで
ゼウスは兄弟達と結託し、父のクロノスを
倒そうとしました。
クロノスも、ティタン神族を味方につけ、
旧世代と新世代との戦いは、10年に及びました。
ガイアが、『冥界に幽閉されている
キュクロプスたちを、味方につけると勝つ』と
ゼウスに進言した為、ゼウスは彼らを解放。
彼らを味方につけ、見事に勝利し、
新世代は、世代交代に成功しました。
この時に、男神たちはくじ引きで
ゼウスが天空を、ポセイドンが海を、
ハデスが冥界を支配することを、決めたのです。
その後、ゼウスはガイアが産んだ怪物を次々に
倒し、主神としての地位を揺るぎないものに
していったのです。
オリュンポス12神
先に紹介したとおり、ゼウスを最高峰とした
彼の兄弟姉妹や子供で形成される、12神です。
こうしてみると、神話とは言え、
人間っぽい一面も、見えてくるような
気がするのは、気のせいでしょうか。
おわりに
ゼウスの活躍に至るまでの物語を
紐解いていくと、難解に思えた
ギリシャ神話の神々の家系図も、
少しだけ、わかりやすくなった
気がした、友人と私でした。
そう言えば、昔読んだ本の中に、
アンドロメダ座のお話で、母親のカシオペアが
ポセイドンの怒りを、買った話がありました。
娘の、アンドロメダ姫を、お化けクジラの生贄に
差し出したところを、英雄ペルセウスに
助けてもらい二人は結ばれ、めでたし、です。
ゼウスだけでなく、オリュンポスの12神は
その存在感のせいか、やはり
色んなところに、出てきますね。