絵本の力ってすごい、といつも感じるんです。
小学校で、絵本の読み聞かせをするように
なったのは、5年前のことです。
絵本を読み聞かせている時の子ども達の
反応は年代それぞれ。
楽しくて、思わず心の声が出てしまう子、
世界観にグッと入り込み、息を飲む子、
聞き手それぞれの感受性に語りかける
絵本の作者って、すごいな、と思うんです。
自分で書いた絵本を、読み聞かせできたら!
と、つい淡い夢を見てしまいます。
もちろん、絵本を書き上げるのは、大変な
ことですよね。
だからこそ、やりがいもあって、報酬も
それに見合うものなんだろうな、と。
現実にはよく知られていない絵本作家の
年収とはどれくらいなんでしょう?
この機会に調べてみましたよ。
絵本作家の収入形態とは?
絵本作家の収入は、原稿料と印税の2種類の
方法から成り立っています。
原稿料
原稿料とは、絵本を出版社に納品した時に
得る報酬です。
作品を書いたことに対する報酬となります。
原稿料をいくらに決めるかは、いくつかの
方法があります。
- 1ページにつき、いくら
- 1作品につき、いくら
もちろん、全ての絵本作家の報酬が一律、
という訳ではありません。
絵本の内容・出版会社の知名度・作者の人気度
などに基づいた金額になります。
数千円~数万円と、金額の幅は様々です。
作家が無名か有名かによっても、一ケタ違う
金額になる場合もありますよ。
印税
出版社が絵本を出版するために、絵本作家に
支払う報酬のことです。
「著作権使用料」と呼ばれています。
多くの出版社は、出版された部数を元に
計算する「発行印税」という形態をとって
いることが多いんですよ。
重版を重ねるごとに、その部数分の印税が
支払われます。
では、印税とは、どれぐらいに金額なのか
気になりますよね。
印税は、納品した絵本の定価の何%かを
出版社から作家に支払うものです。
多くの出版社では、印税の割合を10%
としていますが、そこも様々です。
中小規模の出版社や無名の作家などは、
10%よりも低い場合もありますよ。
逆に、売れっ子作家になると、数%ほど
割り増しされることもあります。
しかし、絵本の初版部数自体が少なく、
平均的な部数は、3,000~5,000部です。
新人で無名の絵本作家の場合には、
2,000~3,000部出版されれば、優秀だ
とも言われているんですよ。
売れればこんなチャンスも!
絵本の初版部数が少ない、と書きましたが、
売れれば、こんなチャンスも巡ってきます。
学校の推薦図書や、夏休みの課題図書に
なると、書店や図書館に置かれるように
なります。
多くの人の目に触れることで、更に長きに
渡ってロングセラーとなることもあります。
絵本は、クリスマスのプレゼントなど、
子どもに贈る機会が多いものの一つです。
絵本の売り上げの傾向とは、初版から
短い期間で爆発的にヒットする訳ではなく、
長い期間をかけて、読み継がれるジャンル、
と言えるんですよ。
売れっ子の印税って?
中でも、みんなが知っている絵本はどれも
何十年も読まれているものが多いんです。
絵本界のスーパースターが、松谷みよ子著
「いないいないばあ」です。
1967年の初版から重版を繰り返し、なんと
569万部の売り上げを誇っています。
絵本本体定価が700円なので、印税は10%で
1冊70円になります。
すごい金額ですね。
40年近くの長い年月をかけて売れ続けた結果、
莫大な印税となった訳ですね。
実際にはどうなの?
ロングベストセラーの絵本作家は、もちろん
ほんの一部、というのが現実です。
元絵本作家、という人によると、至って他の
職業と一緒で、もうからない人は早々諦めて
しまうんだとか。
単純に考えて、1冊700円の定価の印税は
3,000冊の発行で、21万円です。
毎月1冊のペースで絵本を納品できる訳では
ありませんから、売れるまでは大変ですね。
生活のために、兼業する絵本作家も多い
とも言われていますよ。
まとめ
絵本作家の世界は、なかなか厳しいもの
なんですね・・・。
世間に認めてもらえるまでの道のりが
大変そうな職業です。
多くの人に認めてもらい、ロングセラーに
なると、生活も安泰なんでしょうね。
ある程度の実力があれば、収入も安定する
職業ですよ。