サラリーマンの夫が、会社を辞めて
突然ラーメン屋さんを、
開業したいと言いだしました。
ラーメンが大好きで、
開業するのが夢だったそうです。
夫「もう気持ちは固まっている。」
私「開業って言っても、
資金がいるんじゃない?」
夫「そこなんだ。
噂によると開業資金は、
一千万円とか。
退職金をあてても、
とてもそんなにならないだろうし。」
私「困ったわ。
そんなに用意できないし。」
夫「実は会社の先輩が、
ラーメン屋を開業しているんだ。
その人にいろいろと、
聞いてみようと思う。」
私は夫の先輩に、
ラーメン屋開業をあきらめるよう、
説得してもらおうと思いました。
私たち夫婦は、
一千万も用意できないからです。
先輩「やあ久しぶり。
どうしたの?」
夫「先輩みたいに脱サラして、
ラーメン屋を開業したいんです。
先輩の店、繁盛している
らしいじゃないですか?」
私「私たち一千万も開業資金に、
用意できません。
あきらめた方がいいですよね?」
先輩「あきらめなくてもいいよ。
とりあえず百万あれば、
開業できるよ。」
先輩の言葉に、
私たちはびっくりしました。
資金が少なくてもラーメン屋の開業ができる?
先輩はなおも言葉を続けました。
先輩「資金は余裕があった方がいい。
たとえば、一千万円の費用はこんな風だ。
店舗工事代、イスやテーブル、レジ関係、
調理器具類や食器類、ユニフォーム代、
求人募集や広告宣伝費などの開店費用など。
しかし、資金が少なくても
開業できる方法はある。
居ぬきといって、
以前開業していた人の店を、
そのまま使うんだ。
それなら、もともとそこにあった
設備や機材を、そのまま使わせて
もらうから、資金が少なくてもすむんだ。
家賃10万円以下、敷金礼金2か月分、
広告宣伝費、ユニフォーム代、求人費用
メニュー表や事務関係の諸雑費など。
合計しても100万以下で開業できる。
もともとラーメン屋は、
席がカウンターだけでも開業できる。
ほかの飲食店に比べれば、
経費は少なくて済む方なんだ。
夫「そうなんですか!」
夫の顔は希望に満ちていました。
せっかく先輩に、無理だと
いってもらいたかったのに、
なんだかがっかりです。
先輩「ラーメン屋を開くのに、
特に資格はいらないから、
誰でも開ける。
調理師免許はいらないんだ。
必要なのは食品衛生責任者と、
防火管理者の資格だけだ。
食品衛生責任者というのは、
食品衛生上の運営管理をする人で、
飲食店には必ず一人いなければなりません。
保健所に食品衛生責任者の届け出が、
必要になります。
講習会を受講すれば、
講習期間1日で取ることができます。
収容人数30人以上のお店には、
必ず防火管理者を、
置かなくてはなりません。
講習期間は1日もしくは2日で、
とることができます。
先輩「しかも、本屋に行けば繁盛店の
レシピが売っているから、
参考にすることもできる。」
夫「そうなんですね。」
先輩「しかしだ。
ラーメン屋を開くなら、
お金のほかにも大事なことがある。」
先輩はさらに語り始めました。
ラーメン屋をするならこれが必要
先輩「ラーメン屋を開くのに、
大事なのは情熱と忍耐だ。
味がいいだけでもだめなんだ。
ほかの店と違った個性も、
必要になる。
繁盛している店は、
みんな独特の個性がある。
しかも、個性的なメニューも、
最初はいいがそのうち飽きられる。
お客さんが、来なくなってしまうかも
しれない。
そのときどのくらい耐えられるか?
情熱があるかないかで、
その時を乗り越えられるかどうかが決まる。」
夫「そうなんですね。」
私たちは先輩にお礼を言い、
店を後にしました。
まとめ
ラーメン開業の、
ノウハウが分かった夫。
それと同時に、
開業の厳しさもしらされた夫。
家に帰ってからしばらく、
考え込んでいました。
脱サラについては、
しばらく考えるとのことでした。
たとえ資金が用意できても、
その先にリスクはあります。
いったんお店をひらけば、
そう簡単に休めません。
しかも一日中、立ってラーメンを作るのは
かなりの重労働になります。
常にアイデアを考え、
オリジナルのメニューで、
勝負するのはとても大変なことです。
開業するには資金だけではなく、
他にも大切なことがあるのです。
夫には、よくそのことを、
考えてもらいたいと思います。
それでも、開業したいのなら、
夫の夢を応援したいと思っています。