今日は、私が所属する部署の、新入社員歓迎会の日です。今年の新入社員は、男性2人、女性2人の計4名。みんな初々しくて前向きです。
ですが、そのうちの一人、前田さんという女性が、朝からとても緊張した様子です。実は彼女は少しアガリ症で、飲み会で自己紹介しなければならないのがプレッシャーだというのです。
「何をどのように喋ったらいいんでしょうか?」と相談されたので、自己紹介のコツとポイントを挙げてみることにしました。
自己紹介の注意点
まずは、自分を紹介する前に、必ず踏まえておかなければならない注意点を挙げておきます。
声は大きく活舌で
どんなにまとまったわかりやすい紹介をしたとしても、声がきこえなければ口パクと同じです。特に飲み会ともなれば、周囲もザワザワしていて、声が聴きとりにくくなっています。ゆっくりでもいいので、できるだけ元気よくハッキリと喋るようにしましょう。
簡潔に短く
飲み会に参加した新入社員の人数にもよりますが、あまり長い自己紹介はNGです。できるだけ簡潔に短く、できれば1分か2分で収まるようにしましょう。
参加者全員の顔を見て
恥ずかしいからといって、虚空の一点だけを見つめたり、終始うつむいて喋るのは、印象が悪すぎます。できるだけ、参加している人たち全員の目を見渡すようにして喋りましょう。
お礼の言葉を必ず添えて
冒頭、あるいは最後に、必ず歓迎会開催に対するお礼の言葉を述べましょう。社会人としての礼儀です。
自己紹介の要点
注意点を押さえれば、あとは内容です。自分という人間が何者であるかを、要点を押さえてシンプルにまとめます。
出身地や出身校を紹介する
名前の次に、自分の出身地と出身校、その学部などを紹介しておきます。会社にはさまざまな出身地の人間がいますので、同郷、あるいは故郷に近い出身地の社員、または同じ大学の先輩と、会話の糸口がつかめるかもしれません。
趣味や得意なことを披露する
好きな物や人物、得意としていることを、あまりクドくならない程度に語っておきましょう。あとでツッコんでもらえたり、あるいは同好の士と盛り上がれるかもしれません。
入社してからの抱負を語る
これからの意気込みや、こういうことを目指している、といったことを、あまり大言壮語にならないよう、謙虚な姿勢で述べましょう。仕事に対する前向きな姿勢をアピールする意味でも、大事です。
自己紹介の文例
それでは、すぐに使える自己紹介の文例を挙げてみましょう。
出身地をアピール
〇〇大学〇〇学科出身の〇〇〇〇と申します。本日は、このような盛大な歓迎会を開催していただき、誠にありがとうございます。私の出身地は和歌山で、家はミカン農家です。小さい頃からミカン収穫の手伝いをしておりましたので、ミカンの目利きには自信があります。目利きをご所望の方がいらっしゃいましたら、是非お声をおかけください。仕事はなにぶんまだ入社したばかりで、先輩がたにご迷惑のかけどおしではありますが、美味しいミカンを選り分けるように、お客様にいいものをお届けできるよう、頑張っていきたいと思います。どうぞ宜しくお願い致します。
得意技をアピール
〇〇〇〇と申します。〇〇高校出身で、鳥取の海辺、境港から来ました。このような都会に住むのは初めてなので、ちょっとドキドキしていますが、私の趣味は写真を撮ることなので、都会のいろんなシーンが撮影できる、とワクワクもしております。大好きな写真を撮るように、仕事も丁寧に誠実に、常に好奇心を持って勤めていきたい、と思っております。本日はこのような会を催していただき、本当にありがとうございました。今後ともご指導宜しくお願いします。
抱負をアピール
〇〇大学〇〇学科出身の〇〇〇〇と申します。実家は岩手の盛岡です。本日はお忙しいなか、私たちのために歓迎会を開催していただき、ありがとうございます。私は学生時代、物流倉庫でアルバイトをしておりまして、その時に物流のシステムやノウハウを興味深く学んだ経験があります。まだまだ若輩ではありますが、先輩の皆さまに学びながら、いつかバイト時代の経験を活かせる時がくれば来れば、と思っています。どうぞご指導、ご鞭撻のほど、宜しくお願い致します。
おわりに
とりあえず前田さんにコツとポイントを伝授してみましたが、どうもまだ緊張が取れないようです。
彼女に一番必要なのは、まずリラックスすることかもしれません。式典や会合でスピーチするわけではなく、飲み会の席ですから、もっと気を楽にできればいいのですが。
まあでも、そういうふうに緊張しているようすも、新入社員らしくて初々しいもんですね。