遠出する時や知らない場所に車で行く時には、まずはカーナビをセットしてルート案内をしてもらわないと、私の場合は必ずと言ってよいほど迷子になってしまいます。
俗に言う「方向音痴」の私にとって、スマホやカーナビは出掛ける時には無くてはならない相棒です。
今でこそ、GPSが当たり前に使われるようになって、自分の居る位置がスマホですぐに特定できるため、道に迷うことも無くなりました。まだGPSの普及が無かったあの頃(何十年前?)には、地図の本をグルグル回しながら迷う時間分を入れて、かなり早めに家を出ていたことを思い出します。
とはいえ、GPSって自分の位置を瞬時に判断することができるのでしょう?調べてみたところ、仕組みはなかなか複雑です。GPSの仕組みについて簡単に説明してみますね。
GPSとはどんなシステム?
現在では、スマホやノートパソコン、デジタルカメラなど、私たちの生活に欠かせないGPSですが、本当の名前は「グローバル・ポジショニング・システム」、日本語だと「全地球方位システム」と言います。
元来、アメリカ合衆国が人工衛星を使い、軍事用に位置情報システムを利用していました。
しかし、1983年に起こった大韓航空機撃墜事件(ソビエト連邦が領空に侵入してきた韓国の旅客機を撃墜をした)を発端に、民間航空機の安全のため1990年代に民間にもシステムが開放されることとなりました。
アメリカは、GPS衛星を30機打ち上げていて、12時間で地球を1周するようにプログラムされています。地球の全部をカバーするために、それぞれの人工衛星が1周するルートを少しずつずらしながら、24通りの軌道で常に地球を周回しています。
基本的なGPSの原理は、GPS衛星から発信される信号を地上の受信器がキャッチし、自分の居る位置を計算して特定します。
GPSシステムの仕組みを簡単に説明すると
GPSが発信する電波には、受信機が現在地を特定するために必要な情報が含まれています。この計算に必要な情報とは、「電波が受信機に到達するのにかかった時間」と「電波の速度」になります。
地上の受信器は、「人工衛星からの発信された時刻」と「自分の居る現在地に電波が届いた時刻」との差で、「電波が受信機に到達するのにかかった時間」を割り出します。
そして、「電波の速度」は光と同じ電磁波の仲間なので、真空中では1秒間に約30万km進みます。この数値を使って割り出せるのが、「人工衛星から受信機までの距離」となり、計算式は以下のようになります。
「人工衛星から受信機までの距離」=「電波が受信機に到達するのにかかった時間」×「電波の速度」
このようにして、3つの人工衛星からのそれぞれの距離を割り出します。
もう少し詳しくGPSの仕組みを説明すると
地上の受信器は、人工衛星までの等距離で描ける地球の表面上に位置しています。地球の表面に描いたそれぞれ3つの球が交わった点には、受信機があるということになります。
しかし、3つの人工衛星の電波の情報だけでは、誤差が生じます。受信側であるカーナビやスマホの時計は、どんなに高性能であっても完璧で正確という訳ではありません。
そのため、4つ目の人工衛星を使って時計の誤差を修正し、位置を割り出しています。イメージとしては、下の図のようになります。
より誤差のない情報を得るには、4つの人工衛星からの電波を受信できるようにアメリカは24通りの軌道を確保していますが、ヨーロッパや中国、ロシア、そして日本でも独自の人工衛星を打ち上げて、自分たちの居住地のカバーができるように対策をしているんですよ。
まとめ
普段、何気なく当たり前のように使っているGPSですが、ものすごい技術の結晶なのですね!宇宙から送られてくる信号を、私たちの持つスマホなどでキャッチしているということなんですもの・・・。
今回調べてみて、日本独自のGPS衛星があることも知りました。日本の人工衛星「みちびき」は、日本の位置情報に特化させるため、日本とオーストラリアの上空を8の字を描くような軌道を作っています。
アメリカのGPSシステムと互換性があるので、日本ではみちびきの情報を使ってより正確な位置情報を得ることができるんですよ。
こうやって改めてGPSについて知ると、私たちの生活は1990年代から凄まじい進歩を遂げているんだな、と実感しました。ますます技術は発展していくのでしょうか?未来はこの先一体どうなるのか、ワクワクしますね。