米のとぎ汁が乳酸菌培養液に!園芸用の簡単な作り方!

ハウトゥ

我が家の家庭菜園、昨年まではあまり手を入れる時間の余裕が無くて、当然ながら満足できるような収穫はありませんでした。

ところが今年の春、本当に急でびっくりしているのですが、夫が家庭菜園を一生懸命にやるようになったんです。毎日のように家庭菜園に通い、園芸雑誌を読むようになりました。 

今週の日曜日は草刈りと○○の種を蒔く、思ったように育っていない野菜にどうしたらいいのか調べ物をしたりして、夫は実に忙しくしていています。近所の園芸友達もできたようで、野菜談議に花が咲いているようですが、ふと耳にした情報を聞いて「やってみよう」と言い出したのが「乳酸菌」の話。

ヨーグルトなどに含まれているのは有名ですが、乳酸菌は野菜を育てるのにもいい、というのは本当なんでしょうか?気になるので調べてみました。

野菜の栽培と微生物の関係

畑で野菜を栽培する時にはキーポイントになる「土」ですが、土の中には有用なもの、有害なもの、様々な微生物がバランスをとって存在しています。

例えば、有機物を分解して土をフカフカにする微生物、空気中の窒素を土に取り込んで植物の根に供給する微生物など、反して植物にとっては害となり得る微生物も存在しているのですが、バランスがとれていれば植物が病気になることはありません。

微生物の存在によって、土は活きている状態になります。土が元気になる微生物を活用することで、野菜もスクスク育つようになるんですね。中でも、おすすめは、身近なものから採取できる乳酸菌を畑に活用すること。

それでは、乳酸菌はどんな働きをするものなのか、見ていきましょう。

乳酸菌とは?

乳酸菌には、ヨーグルトやチーズなど動物質に棲息する動物性乳酸菌と、漬物など植物質に棲息する植物性乳酸菌の2種類あります。畑の植物に良い影響を与えるのは植物性乳酸菌で、漬物などの発酵食品に含まれる「ラクトバチルス」が有用だと言われています。

乳酸菌は、糖分を栄養にして発酵し「乳酸」を作り出します。この乳酸は殺菌作用が強く、人体に有害な微生物の繁殖を抑える一方で、有用な微生物の活動を妨げません。

このことから、園芸的には「選択的掃除屋」と言われることもあります。

乳酸菌がもたらす効果とは?

乳酸菌を園芸用に作用する特徴をまとめると、

  • 乳酸によりPHが酸性に傾き、土壌中の雑菌の繁殖を減らす
  • 植物性有機物(作物の残渣や落ち葉など)の分解を促し、肥沃な土にする
  • 乳酸菌を餌とする善玉菌などをが増え、微生物のバランスが良くなり連作障害を減らす
  • 乳酸によって、土の中のミネラルを溶かし植物が吸収しやすい形にする(キレート化)

このように、乳酸菌を園芸に取り入れることでメリットが多く生まれます。ただ、乳酸菌はどこから持ち込めばいいのか、という問題になります。

実は、植物自体にも乳酸菌は棲息しているものなのですが、もっとたくさんの乳酸菌が生息しているものが米ぬかなんです。米ぬかは、籾から精米する時に取り除くものなので、自分で精米しない人にとってはわざわざ買わないと手に入りません。

しかし、実は米のとぎ汁にも「ぬか」が含まれています。米のとぎ汁を使って、乳酸菌を培養する方法があります。

米のとぎ汁で乳酸菌を培養する方法

米のとぎ汁から乳酸菌を培養する方法の手順を説明していきますね。

準備するもの

  • 米2~3合
  • 水2ℓ
  • 黒糖30g
  • 塩10g
  • ペットボトル(1.8~2ℓ)1本

作り方

  1. 米を研ぎ、一番最初のとぎ汁をペットボトルに移し替える
    (ペットボトルは満タンにしない
  2. 黒糖と塩をペットボトルに入れ、蓋を閉めて振りよく撹拌する
    (ペットボトルは満タンにしない)
  3. 空気があった方が発酵が進むので、蓋を緩めに締めて日陰の温かい場所に置く
  4. 1週間ほどで発酵し、蓋を開けた時にプシュッと微炭酸となれば完成
    保管は冷蔵庫で、早めに使い切る

使い方

米のとぎ汁の乳酸菌培養液は、以下のように使います。

  • 培養液を水で10倍に薄め、野菜の葉に散布すると病原菌を減らせる
  • 土づくりの時に原液を散布すると、植物性有機物の分解が促されて肥沃な土となる
    (原液での散布は、酸性度が増し土が硬くなるので、半年に数度程に留める)

まとめ

米を炊く時には排水溝に流してしまっている米のとぎ汁が、黒糖と塩で発酵するなんて!しかも、野菜作りの基礎の土にも良い影響を与えることに驚いています。

そういえば、夫がきゅうりの葉に元気が無いことを度々口にしていました。これは、教えてあげるしかないですよね。

材料も家にあるものばかりですし、早速作ってみようと思います。美味しい野菜が収穫できることを願って、夫に託したいと思います。

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