「おたくの店で買った服着て同窓会行ったらみんなに”ダサい”って言われて不愉快な気持ちになりました」
「返品したいし謝罪を求めます。こんなセンスの悪い店は無意味なので早く閉店してください」
知人がやってるネットショップに、以前、こんな感じのメールが届きました。
通常は、商品に問題があっての返品要求がほとんどなんですが、年に何度かは、一見理不尽とも思えるものもあるんだそうです。
クレーマーとは言いたくないけど……と言いつつも、対応に困るケースも。
そんなクレーマーの対応のメールで、気をつけたいことをまとめてみました。
【クレーマー対応ポイント①】すばやく対応・放置は×
ネットショップではメールでの問い合わせがほとんどだと思いますが、まず一番気をつけなければいけないのが、長らく放置してしまうこと。
わざとでなく、うっかり気づかなかったとしても、先方にとってみたら「ほっとかれた」ということに変わりありません。
以下のような点に気をつける必要があります。
●早めに返信する
これ、結構大事です。
少なくとも、その日のうちには何らかの返信を返し、対話の場を持つ意思があることを、しっかり伝える必要があります。
●身のある返信をする
ただし……。
早く反応すればいい、というわけではありません。
クレーマーだ!すぐ返信しなきゃ!なんて思って、即返信したはいいけれど、内容が「どうもすみませんでした」だけでは、火に油を注ぐようなもの。
クレーマーと思われるメールが届いたら、慌てず、まず、内容をよく読んで状況を確認しましょう。
●具体的なことを伝えて効率的に
もし、製造元に問い合わせないと回答できないとか、上司の判断を仰ぐ必要がある場合は、少し時間が欲しいということをできるだけ早く、遅くとも必ずその日のうちに一度、返信します。
その後、あまり日数をあけずに、具体的な対応を返信できるといいんですが、何日もかかってしまいそうな場合は、途中経過などを報告しておいたほうがよいでしょう。
クレーマーはほっとかれるのが一番嫌なはず。
あんまりバタバタと矢継ぎ早に返信を送ってこられても腹が立ちますが、なしのつぶてもムカつきます。
「クレーマーかな……」と思っても、適度な間隔で報告や説明を入れていきましょう。
【クレーマー対応ポイント②】相手の立場になって対応
とはいえ、相手が腹を立ててクレームを入れてきている以上、こちらがどんな対応をしたところで、穏便に済むわけはありません。
どういう対応をするにせよ、必ず、相手の立場に立って考える必要があります。
要は、もし、自分がそういう状況に置かれたら?
どういう説明を受けたら納得するだろうか?
何を言われたらよけい腹が立つだろうか?
人間、一度振り上げたこぶしを下ろすのにも、かなり勇気が要るものです。
いったんクレーマーと化してしまった人は、理詰めで説得されるのも嫌でしょうし、やたらとペコペコされるのもおもしろくないでしょう。
電話や会議の場と違って、メールだと、ある程度言いたいことをまとめて送りあうことになるし、理解しあうことが難しい場合も多いです。
「自分がこういう言葉遣いされたら、嫌かもなぁ」とか想像しながら文章を考えるといいと思います。
また、相手が怒りにまかせて書いたメールだと、文章がわかりにくい可能性もあります。字が間違ってることも。
そういうメールの送り主に「それはどういう意味ですか?」なんて返信したら、揚げ足取られたと思って、よけい腹を立ててしまうかもしれません。
相手が本当に言いたいことをしっかりとらえて、必要なことだけ返信するようにしたほうが良いでしょう。
【クレーマー対応ポイント③】お詫び・感謝・説明・提案
「クレーマーには逆らわない」
「クレーマーからメールが来たら、ただひたすら詫びまくる」
いやいや、それはいけません。
そんなことでは、クレーマーじゃない人を怒らせてクレーマーにしてしまう可能性も。
特に、相手が一方的に「気に入らない」「腹が立った」と書いてきている場合は、お詫びや感謝の言葉を述べつつ、説明や提案も伝えるべきです。
ただ謝って、要求をのんでいるだけでは、相手はますますクレーマーになってしまい、引っ込みがつかなくなってしまいます。
かといって言い訳や言い逃れ、責任転嫁っぽい文章が目立つのもよくありません。
お詫び・感謝・説明・提案のバランスが大切です。
【感謝】
お問合せいただきましてありがとうございます。
弊社商品をお手にとっていただき、大変ありがたく思っております。
【お詫び】
お買い求めいただいた商品でご迷惑をおかけしたと伺いまして、大変心苦しく思います。
【説明】
お届けした商品は長きに渡り取り扱っておりましたが、お気に召さなかったとのことで、大変残念に思います。
【提案】
ご返品を承りたいと存じますが、詳細につきましては、お電話でご案内させていただけたらと思っております。
大変恐縮ですが、ご都合のよい時間帯をお知らせいただければ幸いです。
こんな感じで、こちらの気持ちを汲み取っていただけるような文章構成を心がけましょう!
まとめ
以前、とあるWebサイトの管理をしていたとき、ほぼ毎日、箇条書きのぶっきらぼうな質問メールが届いていたことがありました。
「○○の意味が不明です」
「○○となるのはなぜですか」
「○○を簡潔に説明してください」
1個答えると、翌日また1個。
こりゃクレーマーかな……。
どえらいクレーマーに目をつけられちゃったな……。
と思いつつ、毎日コツコツ返信をしていたんですが、1ヶ月くらいしたらぷっつり、メールがこなくなりました。
ずっと後になって、台湾の人だったことがわかったんです。
日本語の勉強を兼ねて、毎日サイトを見てくださってたとか。
クレーマーじゃなかったんだ……。
こういうこともあるんですね。
丁寧に対応しといてよかった。
なかなか、マニュアルどおりにいかないクレーマー対応ですが、丁寧に応対して理解を得る努力を積んでいけば、きっと道は開けますよ!