介護施設でヘルパーをしている私は、
上司から突然こんな話をふられました。
「今度新しく入居される方が、
実は聴覚障害の方でね。
手話でのコミュニケーションに
なるけど、君担当でお願いね。
手話が出来る先輩の佐藤さんと
一緒にその方を介護しながら、
手話を覚えていってよ。」
え!確かに福祉関係の大学卒ですが、
手話なんて、全くの初心者レベル。
いきなり実務!
とはいえ、なんとか入居されるまで
準備しなければ。でもかけられる
勉強費用は抑えたい。
そこで一緒に介護を担当する先輩に
手話の勉強方法について色々と
教えてもらう事にしました。
勉強方法が習得成功の鍵!
先輩曰はく、手話の習得成功は
適切な勉強手段と段階、つまり
勉強方法で決まるそうです。
そのやり方を自己流で何となく
やってしまうと、結局途中で
勉強を挫折することになる様です。
挫折する理由
手話の勉強をはじめる場合は、
一般的にこんな手段があります。
- 市販の教材本
- 通信講座・学校
- 手話サークル
教材本に関しては、「これどんな
形だったけ?」と参考するのには
適しています。
が、動きを使った手話を初めから
習得するには、二次元の平面図から
イメージするのは難しいようです。
講座や学校は体系的に習得できます。
が、初期費用が高めだったり
時間も制約されることも。
手話サークルは、全くの初心者に
手話を教える為の場ではありません。
聾者とコミュニケーションを手話で
取りながら手話を実地で学ぶ場
になります。
ある程度の手話知識と実技がない
段階で参加してしまうと、ついて
行けない、
という結果になるようです。
勉強方法のお勧めな順番は?
では初心者が続けやすいやり方
はどんなものでしょうか。
- DVDを何度も見てインプット
- 手話ニュースを見る
- 手話サークルに参加する
身近な人と手話会話をする
DVDは動きを何度も自分のペースで
見返すことができます。
また、働きながら習得したい社会人
には、空き時間に見ることができる
のも嬉しいポイントです。
DVDをスマホに取り込んで、お昼の
休憩中や、通勤途中で学習できます。
ある程度インプットが出来てきたら、
手話ニュースを見てみましょう。
手話の読み取り訓練になります。
手話での簡単な表現や読み取りが
ある程度できてきたら、ここで
手話サークルに参加してみましょう。
この段階で参加すれば、
気後れせずにどんどん実践練習
できる場となるでしょう。
忙しくてサークルに参加できない
という方もいるでしょう。
身近な人で手話が出来る人と
手話で会話するのもいいですし、
例えば手話に興味のある職場の
後輩なんかに、手話を教えるのも
丁度よいアウトプットの場になります。
DVDを選ぶポイント
数ある市販のDVDの中で、どの
DVDを教材として選ぶか、これも
また重要なポイントです。
- 手話の意味の成り立ちに
説明があるもの - 同じDVDの視聴者同士で交流できる
- 手話サークルへの案内
丸暗記はなかなか覚えられません。
例えば色の「青」。手話で表現
するには、右手を広げた状態で
人指し指と中指で頬下部分を、
斜右上に撫で上げます。これは
「ひげを剃ったばかりの青さ」
から来ています。
ただ「青」の指の動きを覚える
のではなく、成り立ちが分かれば
すとんと理解ができますね。
視聴者同士の交流サイトがあれば、
仕事上必要なのにどういう表現
(手話)をすればいいのか、
分からない!
そんな時に気軽に質問が
できますね。
いざ手話サークルにと情報検索
をしても自分でコレ!と判断する
には難しいものです。
手話サークルの案内がついた
ものであれば便利ですし、学習の
モチベーションへも繋がります。
モチベーションをあげる検定のイロハ
ある程度の手話で意思疎通が
図れるようになったら、
手話検定を目標に勉強を
継続させるのも一案です。
検定の種類
- 手話技能検定
- 全国手話検定
認知度も高い検定で、主に手話単語の
習得度を測る内容になっています。
主に手話でのコミュニケーションが
どの程度実践できるかを見る検定です。
レベルは?
「手話技能検定」は7級から
1級まであり、3級から履歴書に
書けるレベルと言われています。
3級は相手の手話表現を読む力
を問うレベルである、
というのが履歴書で評価される
理由なのでしょう。
「全国手話検定」は5級から
1級まであります。
主催する団体のHPを見ると、
自分のレベルを確認できるので、
受験の目標設定がしやすいでしょう。
http://kentei.com-sagano.com/sikennituite/
まとめ
実際に聴覚障害の方が、私の
働く介護施設に入居されてから
約2か月経ちました。
まずは入居されるまでは、
DVDを見たり、先輩に教えて
もらったり本当に必死でした。
入居された方との意思疎通は、
まだまだ手話半分、筆談半分
といったところ。
でも、通じた時の相手の方の
笑顔は何とも励みになります。
先輩に教えてもらった勉強方法の
おかげで、なんとか挫折せずに
続けられそうです。