ある日中学生の娘が、
こんなことを言いだしました。
娘「ママ、ものの値段ってどうやって決まるの?
駅前にあるパン屋さんね、
私の大好きなデニッシュペストリーを、
最近値上げしたのよ。
まえは100円だったのに、
きのう見たら120円になっていたわ。
それで、素朴な疑問だけど、
値段てどうやって決まるのかなと思ったの。」
私「そ、それは需要と供給の関係で、
モゴモゴ・・・。」
娘「ママ、その説明じゃよくわからないよ!」
娘にはっきりと説明できない私。
くやしいので需要と供給と、
価格決定の関係について、
勉強してみることにしました。
需要曲線と供給曲線
需要とは、ある商品を買いたいと思うことで、
ある商品を売りたいと思うことが供給です。
たとえば、パン屋さんの場合、
100円で買いたい量が需要量、
120円で売りたい量が供給量です。
価格が安い時は売る人は、
あまり売りたくありません。
そこで、出荷量を減らします。
価格が高い時は、たくさん売りたいので
たくさん出荷します。
グラフで見ると、右上がりになります。
これを供給曲線といいます。
そして買う人は、価格が高い時は
買うのを控えますが、価格が安い時は
たくさん買います。
グラフで見ると、右下がりになります。
これを需要曲線といいます。
この曲線が交わる線が、売り手も買い手も
一番納得する価格になります。
経済では、自然とバランスが取れて、
適正価格に落ち着くようになっています。
この価格を「均衡価格」と呼んでいます。
自然に、物の値段や作られる量が
調節される仕組みになっていることから、
まるで神様が調節しているようだと言われます。
これを「神の見えざる手」と呼んでいます。
価格決定の仕組み
需要量(買いたい商品の量)よりも、
供給量(売りたい商品の量)が多いと、
商品が売れ残ってしまいます。
そのため、市場価格は下がります。
需要(買いたい商品の量)よりも、
供給(売りたい商品の量)が少ないと、
商品が足りなくなるので市場価格は上がります。
例を挙げると、
野菜や魚などは一年を通して、
取れる量が一定ではありません。
秋に取れる野菜は、
秋には供給量が増えるので、
値段が下がります。
一方、野菜が不作で取れないときは、
供給量が減り需要量が増えるので、
値段が上がります。
それにくらべ、ダイヤモンドは、
常に値段が高くなっています。
ダイヤはめったに取れないので、
供給がとても少ないです。
需要に比べて供給がとても少ないことを、
希少性と呼んでいます。
ダイヤモンドは希少性が高いので、
常に値段が高いのです。
パン屋さんが値上がりしたのは、
供給量より需要量が多くなったせいかもしれません。
みんながデニッシュペストリーを欲しいと思い、
売り切れることが多くなってくると、
100円で売っていたのを、
120円に値上げしてもよいと店は考えます。
ところが、値上げすると、
お客は高い割にはおいしくないと思い、
買うのを控えるかもしれません。
すると、パンが余ってしまい、
需要より供給が上回ることになります。
そこでお店は何とかして売ろうと、
値下げをすることになります。
こうして価格は決定されます。
まとめ
娘のおかげで、
需要と供給について勉強したおかげで、
とてもよくわかりました。
娘の大好きなデニッシュペストリーは、
値上げしていても買ってあげたいと思い、
夕方買いに行きました。
すると、デニッシュペストリーが、
再び100円に戻っていました。
思ったより、需要が少なく
供給が上回ったみたいです。
経済について勉強すると、
こんな小さなことでも、
すごく世の中のことがよくわかります。
ルンルン気分でパンを買って帰りました。