「H姉さ~ん。」
庭のお手入れを、していたら、
通りから、何だか懐かしい声が。
「もしかして、Aちゃん?
いつ帰ってきたの?」
小さい頃から、妹のようにかわいがっていた、
近所のAちゃんが、ニコニコしながら
手をふっています。
Aちゃんは、先週から出産のため
実家に里帰りして、いるんだそう。
早速ウチで、お茶しながら
おしゃべりに突入です。
Aちゃんは、現在妊娠8ヵ月で、
今朝病院に、検診に行ってきた
帰りなんだそう。
私「そうなんだ~。
お腹も随分大きくなって、順調そうだね。」
A「う~ん。
元気はいいんだけど、
ちょっと体重がね~。」
彼女によると、今日の検診でも、
助産師さんに
「何で増えるか、心当たりはないの?!」
と叱られて、しまったんだそうです。
私「あ~。妊娠中は、太りやすいからね~。」
A「実は太る原因に、心当たりがない
訳じゃないんだ。
妊娠してから、何だか日中の睡魔がひどくて、
毎日の昼寝が、日課になっているの。
お昼を食べて、家事を少しこなしたら、
もう睡魔に、襲われちゃって・・。
毎日3時間くらい、昼寝しちゃうの。
しかも熟睡。
適度な運動が、必要な事も
歩かなければ、いけない事も、
頭ではよく、わかっているんだけど、
睡魔に勝てなくって・・。
そんなこんなで、食っちゃ寝・・の
生活をしているせいで、
体重が増えちゃったんだと、思うんだ。
昼寝のしすぎって、やっぱり
良くないのかな?
そもそも、何でこんなに
眠くなるんだろう?」
私自身もそうでしたが、確かに妊娠中は
やたら眠くなります。
ちょい眠いな~と思い、目を閉じると
1時間以上、フツーに経ってる、
なんて経験も・・。
私自身も、こんなに眠いのは
自分だけかと、不安になって、
お医者さんに理由を、
聞いてみたことがあります。
妊婦になると眠くなる理由
私「妊娠中に、妊婦が眠くなる原因は、
いくつか、考えられるそうよ。」
女性ホルモンの影響
女性ホルモンとは、卵巣から分泌される
ホルモンのことで、
妊娠の準備をする「エストロゲン」と
妊娠した後、その状態を維持させる
「プロゲステロン」の2つが、あります。
このうち「プロゲステロン」は、
睡眠を促す作用を、持っていて、
排卵後から、徐々に増加し、
妊娠3か月頃までの、間にかけて
大量に分泌される、そうです。
これにより、日中から強い眠気に襲われる
ばかりでなく、
だるさ・頭痛・吐き気・むくみ・
便秘・イライラなども、生じると
言われています。
妊娠6か月頃になると、「プロゲステロン」は
次第に減り始め、
妊娠9か月に至る頃には、「プロゲステロン」は
すっかり減り、
代わりに「エストロゲン」が、増えることより、
眠気を、感じにくくなることで、
寝付きが、悪くなり
熟睡することが、出来なくなり
その反動で、日中に激しい眠気に
襲われるのだそうです。
身体の急激な変化による疲れ
妊娠すると、体は一気に変化します。
子宮で細胞分裂が、起こったり、
お腹が大きくなったり、という
肉体の激変に、体がうまく
ついていけなくなって、
疲れてしまう、というのです。
また、子宮が圧迫されて、
内臓の動きが、悪くなって
血流が悪くなってしまうのも、
眠気の原因の一つと、
考えられて、いるそうです。
眠りつわり
妊娠すると、多くの妊婦が
つわりを、経験することになります。
一般的につわりは、吐くというイメージが
あるかと思いますが、実はつわりには
色々な症状が、あるのだそうです。
食べていないと、気持ち悪くなる
「食べつわり」や、
頭痛だって、つわりに入ると
お医者さんに、聞きました。
そしてその一つが、私も体験した
妊娠中にやたら眠くなる「眠りつわり」と
呼ばれるものです。
「眠りつわり」の原因は、プロゲステロンの
影響だと、いう意見もあると言われていますが
すべての妊婦さんが、プロゲステロンが
分泌されている訳にも関わらず
実際には妊婦さんが、100%眠りつわりで
困っているわけでは、ありません。
こんな風に、まだまだ詳しい原因は
分かっていないそうです。
A「ふーん。色々な原因が、考えられるんだね。
それはそうとして、眠くなったときには、
我慢した方がいいの?
それとも、お昼寝してしまってもいいの?」
私「そうね、昼寝をするのは、
決して悪いことだとは、思わないわよ。
だけど、眠いから寝る・・を繰り返すと、
運動不足になって、体重も増えてしまうし、
生活リズムが、崩れてしまったりする
危険性も、考えられるわよ。
取り敢えず、私が妊娠中に実践した、
眠りつわり対策を、紹介してみるわね。
ポイントは、いくつかのルールを
決めたうえで、昼寝をすること。」
上手に昼寝をする3つのルール
・午前中に軽い運動を、取り入れる
午前中は、お腹が張りづらいし、朝
布団から抜け出す、いいきっかけになります。
私「私は、この時間に1時間ほど、
散歩に行くようにしたの。
夏場は蚊も少ないし、
多少は気温が低めの、時間帯だしね。
マタニティースイミングや、ヨガなんかも
活用してみると、イイと思うわよ。」
・午後なるべく速い時間に昼寝
私「夕方以降に睡眠をとると、
夜眠れなくなってしまう、恐れがあるわから、
夜の睡眠のことも考えて、私は午後一番に
昼寝をするようにしたの。
但し、昼食後すぐに眠ると、
胃腸に負担がかかるから、気を付けてね。
昼寝することが前提なら、食べるものを
出来る限り、消化の良いものにしたり、
早めの時間に、食事を終えるなどの
工夫をしてみると、イイと思うわよ。」
・ダラダラ眠らない
あくまでも、体を休ませることが
目的なので、長くは寝ません。
30分~1時間を、目安にします。
私「目覚ましなどの、アラームを活用して、
決められた時間で、必ず起きるようにします。
上手く寝られないときは、
横になって、目を閉じるだけでも
疲れ方が、違ってくるわよ。
但し、椅子に座っているのではなく、
体を横にするのが、ポイント。」
私自身は、この昼寝のルールを決めたおかげで、
午後一番の昼寝の後は、自然と1時間で目が覚め、
すっきりして、体が軽いという具合になり、
午前中の散歩の疲れも、取れたうえ、
夕飯の準備も、テキパキとこなすことが
できるようになりました。
もちろん夜の睡眠にも、響くことは
ありませんでした。
おわりに
私「私には、このルールがバイオリズムに
合っていたみたいで、続けているうちに何とか、
睡魔の呪縛から、開放されるようになったの。
勿論どうにも、我慢が出来ないくらい
疲れを感じたときは、無理せず
横になったりも、したわよ。
Aちゃんも自分に出来そうな、ルールを決めて、
無理しすぎないように、
対応してみたら、どうかしら?」
A「H姉さん、ありがとう。参考にしてみるよ。
早速明日から、朝ごはんを食べたあと、
又布団に、戻っちゃわないよう、
ウォーキングに、出掛けることにしてみるよ。」
私「くれぐれも、張り切りすぎて
無理しないようにね。」
妊娠すると、余分なエネルギーを
使わないようにする、『冬眠』に似た
状態になると、祖母から聞いたことがあります。
赤ちゃんがママに、休めって
言っているのかも、しれないですね。
妊娠・出産・育児と、大変なことが続くけど、
過ぎてみれば、限りある本当に貴重な時間。
のんびり屋のAちゃん。
自分のペースで、ゆっくり子育てを
楽しんでくれるとイイナ。