事務所を賃貸した時に保証金はどのような仕訳になるの?

ハウトゥ

個人事業を始めようとした時、まずあなたは事務所を借りることから始めると思いませんか?



私も3年前に個人事業を始めた時、事務所を借りました。その時に困ったのが、簿記を使って計算をすることです。その時に初めて知った言葉は、仕訳です。

そこからわからない私。次々にわからない言葉が出てきます。「敷金や礼金はなんとなくわかるけど、保証金って何だろう?」いろいろとわからなくなったので、調べながら勉強しました。

今回は、その時に知ったことをまとめてみようと思います。

意味

まずは保証金と仕訳の意味から調べてみました。

保証金

保証金とは、事務所を借りた人が、その事務所を持っている人に対して預けておくお金のことを言います。

預けておくことによって何のメリットがあるかお話しします。例えば、事務所を借りている人をAさん、持っている人をBさんとします。

毎月まじめに事務所の家賃を支払っているAさんがある日、資金のやりくりがうまくいってないことから会社が倒産します。

それを知ったBさんは、事務所を貸す前の姿に戻すためのお金を1円も受け取ることができないと思ってしまいますよね。しかし、保証金を使うことによってBさんは事務所を貸す前の姿に戻すことができました。

このような時に使われるのが保証金です。

仕訳

仕訳とは、簿記をする時に使われている言葉です。その金額の内容をわかるようにするため、勘定科目と言うものを使います。それを1つではわからないことから、2つ以上の組み合わせで意味を持つことができるのです

こちらも例を使って説明します。これも、先ほどのAさん、Bさんを使って説明しましょう。

例えば、事務所をまじめに経営していたAさんがある日突然Bさんに、「頼む、今月いろいろとうまくいかなくて従業員の給料が払えない。1万円を貸してくれ」とお願いします。



そしてBさんはなにも言わずに1万円を貸しました。つまり、Aさんは1万円増えたことになります

この時の仕訳は以下の通りです。

  •  借方 現金10,000円 / 貸方 借入金10,000円

このようになります。なお、翌月にAさんがBさんに1万円返した場合は以下の通りになります。

  • 借方 借入金10,000円 / 貸方 現金10,000円

つまり、1万円減ったのでこのような書き方になります。なんとなくわかったと思いませんか?

ポイント

保証金を仕訳する時、なんらかの理由で解約した時、お金が返ってくるかどうかで処理方法が変わってきます。

さらに詳しく言いますと、お金が返ってくる時には、経費となりません。逆にお金が返ってこない時には経費となります。

これを知るためには、契約書を必ず確認しましょう。また、契約書によっては、「保証金のうち、25パーセントは返還しない」などと書いている場合があるのでしっかりと確認しましょう。

仕訳方法

最後に仕訳の方法です。

返還あり

この場合、先ほども少しお話ししましたが、将来返ってくるお金なので、経費ではなく、資産として計算します。

例えば、10万円の保証金を支払った場合、以下の通りです。

  •  借方 保証金100,000円 / 貸方 普通預金100,000円

このような書き方になります。逆に退去する時に保証金が返ってきた場合は以下の通りになります。

  •  借方 普通預金100,000円 / 貸方 保証金100,000円

このようになります。また、保証金が返ってきたけど修繕費がかかった時には以下の通りになります。

  • 借方 普通預金80,000円 / 貸方 保証金100,000円
  •    修繕費 20,000円

このような書き方になります。

返還なし

次は、お金が返ってこないケースです。この場合、税務上では、建物を貸し借りするための資産を意味する繰延資産に当たります。また簿記では、現金や建物などの資産を計算した上で、一定期間は返還されないお金、つまり償却として取り扱います。

この時、通常の期間は5年となってますが、もし3年で更新と決まっている時は、36カ月間にわたって償却とする必要性があります。なお、償却する時には1ヶ月当たりの平均で計算をする必要があります。

なお、保証金のうち、返ってこないお金は、消費税がかかりますが、契約期間が始まった時に一括して税が返ってきます。

それでは、仕訳をしてみましょう。例えば保証金が60万円で3年で償却するとします。

(契約の時)

  • 借方 長期前払費用600,000円 / 貸方 普通預金600,000円
  •    仮払消費税等48,000円

(決算の時)

  • 借方 長期前払費用償却200,000円 / 貸方 長期前払費用200,000円

このようになります。

一部が返ってこない時

この場合も、例を使って説明します。例えば、保証金が60万円で、そのうち20%が償却、つまり返ってこないだけでなく、3年で償却する場合は以下の通りです。

(契約の時)

  • 借方 保証金   480,000円 / 貸方 普通預金600,000円
  •    長期前払費用120,000円

(決算の時)

  • 借方 長期前払費用償却40,000円 / 貸方 長期前払費用40,000円

このようになります。

終わりに

一見すると難しいですが、仕訳では以下の4つのことを押さえておきましょう。

  1. お金が増える時、左側に預金や現金などどこにお金が増えたか、右側に増えた理由を書く
  2. お金が減った時、右側に預金や現金などどこからお金が減ったか、左側にお金が減った理由を書く。なお、理由が同じところから2つ以上あって、お金が減った場所も1か所の時には、減った理由を2つ以上書き、減った場所を1つ書いても大丈夫です
  3. お金が一部増えた時、左側にお金が増えた場所とお金が減った理由、右側に増えた理由と左側の合計を書く
  4. お金が2通りの方法で減った時、右側にお金がどこから減ったか(現金と普通預金など)、左側にお金が減った理由を書く

これだけ抑えておけば大丈夫です。どうしても慣れてないと間違いやすいので、よく理解したうえで仕訳や計算を行うようにしてくださいね。

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