日米間の国際結婚で子供の国籍は?日本生まれの場合!

知りたい事

今度出産を迎える友人は、旦那様が
アメリカ人国際結婚のカップルです。

旦那様が仕事で日本勤務になった為、
その友人が、ちょうど日本で出産する
ことになったのだそう。

結婚して4年間、米国暮らしの彼女と
久々に会ってお喋りが弾んだのですが、
一つの疑問が。

赤ちゃんの国籍はどうなるの?

日本国籍は彼女が日本人だから
取得出来るとして、

確かアメリカは、アメリカ国内で
生まれないと、アメリカ国籍は取れない
制度では?

パパがアメリカ人でも、出産が日本なら
米国籍の取得は出来ないのでしょうか?

そこで、日米間の国際結婚で、日本で
生まれる子供の国籍について、

彼女から教えて貰う事にしました。




日本とアメリカの国籍の制度とは?

まずは、彼女から両国の国籍について
教えて貰うことに。

「日本は、『血統主義』の国籍法。

パパかママどちらかが日本人であれば、
どこで生れようが、その子は日本国籍を
取れるのね。

相続も血の繋がりを重視するし、
跡継ぎで血統が途絶えれば、
お家取り潰しもあった武家社会。

血の縁を大事にした日本文化
反映してるよね。

アメリカは、『生地主義』の国籍法。

両親が何人かは関係無く、生まれた場所が
アメリカ国内なら、その子はアメリカ国籍
を取得出来るの。

移民が多くて人種のるつぼであるアメリカ
ならではよね。

最近は中国人の出産ツーリズムが問題視
されてるでしょう?

中国人妊婦さんが米国内で出産する為に、
こぞってアメリカに押しかけるって言う。

現地で生まれた子供が米国籍を取った後、
将来その子が成人すれば、

その子を永住の後ろ盾として、親も
米国永住権を取れるからね。」

と、説明してくれました。

国籍法一つとっても、そのお国柄
それに関わる利権関係などが
見えてくるものです。

アメリカ国外での出産の場合

そこで、問題なのが彼女の様に、アメリカ
国外で出産する場合。「生地主義」の
アメリカ国籍法から漏れるケースです。

彼女のお話は続きます。

「米国籍を持つ親が、5年以上
アメリカ国内に住んでいた事

証明出来れば、

アメリカ国外で生まれたとしても、
その子は米国籍をとれるわ。

つまり私の場合、旦那さんが5年以上
アメリカに住んでいた証明が出来るから、

私が日本で出産しても、子供はアメリカ
国籍が取れるってこと。」

「証明って?書類とか?」と聞いて
みました。

「税金の申告書とか。
旦那様はサラリーマンだから、
雇用証明書を会社から出して貰う予定。

他には、住んでるお部屋の賃貸契約書を
証明に使う人もいるし、本人の宣誓書
有効なのよ。」

彼女の説明によると、アメリカ国外で
生まれても
、その子供が米国籍を持つ道は
ある様でした。

国籍?永住権?市民権?違いは何?

分かっている様で、分からないのが
国籍と永住権、市民権の意味の違い

「出産ツーリズム」のお喋りで出てきた
「永住権」。国籍と実際はどう違うか、
教えて貰いました。

永住権と市民権

「先ずは、永住権と市民権からね。
その方が国籍との区別がつきやすいわ。」
と彼女の講義は続きます。

「アメリカで言う『永住権』。

これは、米国内で旅行や一時的なお仕事を
目的とする滞在許可(=非移民ビザ)と違って、

長い期間米国内で暮らす事が出来る権利で、
移民ビザの事ね。

非移民ビザと違って、転職の度に申請する
必要も無いし、ビザの有効期間もずっと
長くて10年なの。

私の様にアメリカ国籍の人と結婚して取得
できたり、雇い主を後見人として取得する
場合もあるのよ。

で、比較すると良く分かるのが『市民権』。
市民権は、ただ稼いで暮らす権利の永住権より
ずっとグレードが上

市民権を得ると言う事は、アメリカ市民
なると言う事。

例えば、日本人がアメリカ市民権を得る
と言う事は、日本国籍はもう要りません
と言うことよ。

市民権は、永住権と違って色んな権利が
あるわ。

  • 選挙権、非選挙権がある
  • 非移民、移民ビザの様に期限が無い。
  • 海外で戦火に巻き込まれたら、
    国が優先的に守ってくれる。
  • アメリカ国外に自由に渡航できる。
  • 税金が安い。
  • 社会福祉の手当てを制限無く
    受けられる。
  • 自分の親や兄弟を米国に呼び、
    彼らに永住権を持たせてあげられる
    後見人(スポンサー)になれる

色々と主張できる分、取得するのには、
永住権よりもずっと手間も時間も
かかるのよ。」と、彼女。

なるほど。出産ツーリズムのねらいは、
親の永住権スポンサーになることかと
合点が行きました。

国籍について

では、国籍って市民権とどういった
関係なのか、踏み込んで聞くことに
しました。

「市民権は、国に対して主張できる
さっき言った様な権利の事ね。

対して、国籍は、あくまで国に
属している状態
のことよ。」とのこと。

具体的に今後彼女が子供の国籍をどう
するのか聞いてみました。

「私は日本人で日本で出産するから、
普通に日本の役所に出産届を出して、
子供は日本国籍が取れるでしょう。

アメリカ側にも旦那さんが5年以上
アメリカに住んでいた証明をして
米国籍を取る事になるわよね。

つまり、二重国籍。
でも二重国籍となる事は、
日本は法律ではダメ

だから生まれてくる子は、22歳に
なったら、日本かアメリカの国籍
どちらか選ばなければいけないのよ。」

更にこんな詳しい事も教えてくれました。

「日本とパートナーの国の二重国籍を持つ
子供の為に、大人になるまでは、日本国籍
一旦保留にする手続きがあるの。

あくまで日本国外で生まれた子供が対象

私の場合は日本で産むからその国籍留保の
手続きは要らないけど。

その手続きをしないと、将来日本国籍が
良いと言っても、生まれた時から日本国籍
を持っていない事になっちゃうのよ。

  • 片親が日本人で、片親が生地主義を
    採る国の場合。
    (例:ママ=日本人、パパ=アメリカ人)
  • 片親が日本人で、片親が父母両系血統主義
    (父親母親どちらかの国籍を子供が引き継ぐ)

    を採る国の場合。
    (例:ママ=日本人、パパ=韓国人)
  • ママが日本人で、パパが父系血統主義
    (父親の国籍を子供が引き継ぐ)の国
    (例=イラン人)の場合

が、将来どちらか国を選択するから、
生まれた時は日本国籍は一旦保留
しますね、という事ができるのよ。

ダルビッシュ有が、父親がイラン人だから
成人して日本国籍を選択したのは有名よね。」
と、ここで彼女の講義は一段階つきました。

まとめ

彼女は国際結婚事情に本当に詳しく、
その知識に驚かされました。

子供の将来を見据えて、抜かりなく
準備する彼女のパワーの秘密を聞くと、

「愛の力よ。」と何とも幸せな一言。
素晴らしい!

バイタリティ溢れる彼女は、
都市部でお産場所探しに右往左往する
妊婦さん方を尻目に、

あっと言う間に産院を押さえ、引越し
準備に新しいご近所付き合いにと変化を
楽しんでいる様子。

こう言う人でないと、国際結婚の
色んな壁は乗り越えられないのかな
と思いました。

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