私の住んでいる街は、盆栽の栽培で有名です。
盆栽だけが、展示された美術館もある位です。
その昔、大震災で被害を受けた盆栽業者が、
盆栽育成の土壌に適した、この街に、
移住したのが、きっかけだそうです。
そんなある日、ふとしたきっかけで、
知り合った外国人の知人から
『日本の盆栽の花は可憐で、美しいです!
是非、育て方を教えてください。』
と言われたのですが・・・。
身近にあると、かえって普段意識しないので、
何から教えていいのか、全く分からず、
さぁ、困りました!
そこで、知人と一緒に美術館を訪れ、
初心者にも、お勧めの盆栽の育て方を、
調べてみたので、ご紹介しますね。
初心者におすすめ ぼけの花
何故、ぼけの花が初心者向けかというと、
盆栽でよく見かける、松や梅は、剪定など
管理方法が、結構難しいのです。
その点、花の中でもぼけの花は元々、山野に
野生していたので、暑さ寒さにも強く、
一時期のブームもあった為、品種も豊富です。
その為、自分の好みの物から始めやすい、
という点でもお勧めなのです。
育て方の基本
ぼけ(木瓜)の花の開花期は、
3月中旬から5月上旬で、
白や赤、ピンク、オレンジの暖色系です。
日頃の手入れ 水やり・剪定
極端に乾燥させると、葉が枯れたり
蕾が落ちたりするので、春と秋は1日1回程度、
落葉期は少なめに、夏は充分に、水やりをします。
剪定は、開花後と、厳寒期になる前に行います。
根元から出ている細い枝は、根元から切ります。
枯れ枝や、他の枝を邪魔する枝も同様です。
注意すべきは
- 花芽(後に花になる木の芽)を切り落とさない。
- 葉芽(後に葉になる木の芽)も全ては切らない。
花芽を切り落としたら、花が咲きません。
葉芽も全て切り落とすと、ぼけ自体が
枯れてしまいます。
但し、花芽と葉芽の、見分け方がポイントです。
樹木によって異なり、ぼけの場合は
- 花芽:丸みがあり、枝先でなく、古い短い枝につく。
- 葉芽:少し尖っていて、枝先につく。
以上に気を付ければ、後は簡単です。
日当たり・置き場所
通年、日当たり・風通しの良い屋外に置き、
開花期には室内に取り込みます。
但し、夏は土の乾燥を避ける為、1日に
数時間だけ日が当たる場所に、置きます。
肥料
開花期後と、梅雨明け後と、落葉前の9月頃の
年に計3回、粒状の化成肥料か、
油かすと骨粉を混ぜて丸めた物を、与えます。
特に、梅雨明け後の肥料は、来年の花芽形成に、
落葉前の肥料は、花色を良くする効果がある、と
言われています。
用土
ぼけは、水はけの良い土を好みます。
赤玉土5:腐葉土3:川砂2の割合で
混ぜた土を、使用します。
因みに、肥料も用土も、ホームセンターや
園芸店で、容易に購入できます。
植え替え
1年から2年に1度、植え替えが必要です。
というのも、鉢の中で根がいっぱいに
なってしまうからです。
9月から10月位に、周りの土を半分位、落とし、
古い根を3分の1程、切り、一回り大きく深めの
鉢に、植え替えます。
植え替え後は、水をたっぷり与え、落ち着くまで
2週間位は、直射日光を避けて管理します。
その後は、日当たりの良い場所に置きます。
冬も乾燥するので、水切れしない程度に
水やりをし、開花期前には固形の
有機質肥料を、鉢の周りに埋め込みます。
まとめ
ぼけの盆栽の、育て方をまとめると、
- 剪定は、1年に2回行う。
- 水やりは、乾燥しない程度にやる。
- 日当たりの良い所に置く。
実にシンプルだと思いませんか?
一緒に調べた知人も、
『これなら私にも出来る!』と言って
早速、一人でホームセンターへ出かけました。
盆栽というと、梅や松などお堅いものと
思いこんでいましたが、調べると、色んな花が
盆栽として、育てられると知って、驚きでした。
美術館にはなかったのですが、近所の
盆栽村では、季節によってアジサイや藤、
バラや桔梗の盆栽も、あるとの事。
知人の、ぼけの盆栽の花が咲いたら、
今度は一緒に、盆栽村に行ってみようと
思います。