避難訓練をなんのために、どうして
する必要があるのか、そんなことを
考えたことありませんか?
いざという時に必要だから。
そう、たしかにそうなのだけど
主体性もなくダラダラとやることに
必要性を見いだせない。
これは保育園にお子さんが通う
知人の言葉です。
保護者も参加しての避難訓練は緊張感も
なにもなく知人は不満そうでした。
いったいなにを目的に、なにをねらって
こんなことに時間を割いているのかという
疑問に私もふむ?と考えました。
保育園での避難訓練のねらいとはなにか。
これはなかなか調べ甲斐がありそうな
ものだと感じ、早速調査してみることに
しました。
避難訓練は絶対必要?
まず、考えたのが避難訓練というものの
必要性について。
学校などの大きな施設では必ず行われる
訓練ですが、なにか決まりがあるのだろうか?
そんな感じに考えて調べていくと
あったのです、決まり。
それが消防訓練の実施。
これは義務と責務だそうです。
消防法第8条第1項、並びに
消防法施行令第3条の2により消防計画を
作成し、定期的に各訓練を実施すること。
特定用途防火対象物は年に2回以上
非特定用途防火対象物は消防計画に
定めた回数をしなければならないのです。
消火訓練や避難訓練などを中心にして
訓練を行うということです。
保育園はこれの特定用途防火対象物に
当てはまります。
つまり年に2回以上は消防計画を持って
避難訓練をしなければならないのです。
それはわかったけど・・・
保育園が避難訓練をしなければならないのは
わかったけど、あんなグダグダでいいのか?
これこそが知人が抱えた最大の疑問でした。
避難訓練になにを期待し、なにをねらいと
思うのかは人それぞれと思いますが、知人は
そもそも前提を間違えていると思います。
避難訓練とは実際の災害にあった時に
いかにパニックを抑えられるかどうかを
鍛えるためのものだと思います。
万が一の時にパニックを起こして
泣きわめくだけで逃げられない子も
中にはいるでしょう。
それを少しでも緩和してあげるために
こうした訓練をして、万が一に備える
ということが重要なのだと考えます。
知人はグダグダだと思ったのかも
しれませんが、それは保育士さん、先生方の
配慮によるものだと思われます。
訓練でも、わかっていても、恐怖心を
抱く子というのは怖がってしまってなにも
できなくなってしまいます。
ねらいの真意
怖がってなにもできない。
そうならないためにわざとゆるく訓練
しているのではないかな?
避難訓練とは本番のようにするのではなく
予行練習でもなく、いつもと違うことに
少しでも触れさせてやるもの、なのでしょう。
特に年少組は当然、まだ幼く、パニックを
起こしやすいです。
この子たちに必要なのは避難することの
重要性と避難の経路を教えておくことと
注意することを教えてあげることです。
その上で「大丈夫だよ」ということ
先生たちの言うことを聞いて安全に
落ち着いて練習しようね。
これを伝えることが重要だと感じました。
保育園での避難訓練のねらいとは
ズバリ、異常事態に慣れさせることです。
なにかが起こった時は必ず先生の指示に
従い、自分から率先して自分や自分よりも
小さな子の安全を確保すること。
これが避難訓練の最大のねらいであり
最初の課題だと思います。
だから、最初の頃は多少グダグダでも
いいんです。
重要なのは子供にこれが危険でこんな時は
こうするんだということを教えること
なのですから。
さいごに
だれもが最初からなんでも
できるわけではないでしょう。
保育園に入園して最初のこれは試練と
言えます。
そのうち、年長組になれば自然と
ほかの子の手を引っ張ってあげられる
お兄ちゃんお姉ちゃんになるでしょう。
そうなれば保育園側のねらいは大成功です。
そして、ここを乗り越えられたなら
小学校にあがってもしっかりとして
周りをリードできる子になるのでは?
そのことを話すと知人はやっと
納得顔になりました。
そういうことなら、今はグダグダでもいいか
いざという時にうまく対処できるかじゃ
ないんだね、そりゃそっか~、と。
この時、知人は笑っていましたが私は
冷や汗が出る気分でした。
危うくモンスターペアレントが生まれる
ところでした。
怖い、怖い。
今回のこれはほかの保育園さんの避難訓練の
実施報告を読んだりして抱いた私の感想
でしたが、知人は共感してくれました。
よかったです。
避難訓練は訓練ですが、子供たちには
ちょっとした恐怖体験です。
本番ともなればさらにそれは恐怖です。
保育園のねらい、慣れさせることを前提に
家でも避難訓練を簡単に実施してもいいかも
しれませんね。
「地震がきたー!どうしようー!」という
かけ声と同時に子供たちを誘導し、避難の
真似をしてみましょう。
この時に事前に手順を教えておくと
いいでしょうね。
揺れがおさまるまでどうするか、揺れが
なくなったらどうするか、避難経路は
どこかを子供と一緒に確認しましょう。
もしもの時のために
今、できることを、です。
教えたことは子供自身に何度も練習させ
何度も復習させましょう。
時間は子供によってかかるかもしれませんが
根気よく教えていきましょう。
くれぐれもあせらせて思わぬ事故に
ならないように注意してあげてください。