「アルバイトをしたいんだけど」
高校生の息子が、こう言い出しました。
勉強が疎かになるのも心配ですが、社会経験
をするのも大事。学校では特に禁止されて
いないので、特に問題はないのですが。
「どんなところでバイトしたいの?」と
尋ねてみると、コンビニ、ファミレス、
スーパーといった答えが返ってきました。
いずれも忙しそうですが、
いまどきの高校生のアルバイト事情、
どんなものなのでしょうか?
夜遅くなったり、長い時間仕事をしたり
といったことが続いたら、、、。
少し気をもんでいます。
高校生であることを考慮して、
働かせてもらえるものなのでしょうか。
知っておくべき労働基準法
法律としては、15歳の誕生日を迎えてから
初めての3月31日を過ぎれば、
アルバイトをすることが認められています。
(労働基準法第56条)
高校生の場合は、もちろん保護者の
許可を得ていることが条件。
とは言っても、まだまだカラダもココロも
未熟な高校生。危険が伴ったり夜が遅い
仕事は、原則として禁止されています。
労働基準法では、16才以上20歳未満を
「年少者」と定義しています。成人の労働者
に比べ、法律で守られている存在です。
雇用する側は考慮を怠ると、
重いペナルティを科される場合も
あります。
実際に「年少者」が法律で禁止されている
業務を挙げてみましょう。
年少者が禁じられている業務
(労基第62条、第63条)
(1)運転中の機械若しくは動力伝導装置
の危険な部分の掃除、注油、検査若しくは
修繕をさせ、運転中の機械若しくは動力伝導
装置にベルト若しくはロープの取付け
若しくは取りはずしをさせ、動力による
クレーンの運転をさせる業務
(2)毒劇薬、毒劇物その他有害な原料
若しくは材料又は爆発性、発火性若しくは
引火性の原料若しくは材料を取り扱う業務、
著しくじんあい若しくは粉末を飛散し、
若しくは有害ガス若しくは有害放射線を
発散する場所又は高温若しくは高圧の場所に
おける業務その他安全、衛生又は福祉に
有害な場所における業務
(3)重量物を取り扱う業務
(4)年少者労働基準規則 第8条の業務
(多種により省略)
(5)坑内の業務
(1)~(4)は危険で有害な業務の就業
の制限、(5)は坑内労働(炭坑やトンネル
などにおける労働)を禁止するものです。
引越屋や運送業などは
(3)に抵触する場合もあります。
断続した作業の場合、
年少者が扱ってよい重さの限度は、
男性30kg、女性25kgまでだそうです。
一応法律では守られているようですね。
高校生の法定労働時間
年少者の法定労働時間は、
以下の通り定められています。
- 1日8時間までの労働
- 1週間の労働時間は40時間以内
- 深夜時間帯(午後10時~翌5時)の労働は原則禁止
1日8時間、1週間で40時間以内という
点は、一般の労働者の勤務時間と
変わりありません。
一般の労働者は残業をすることも
可能ですが、高校生の場合は基本的に
残業はできません。
法律では、朝礼やミーティング、着替えと
いったような、“実労働”ではない時間も
労働時間に含まれます。
労働者が使用者の指揮命令下にあるときは、
待ち時間であっても
労働時間内と考えられます。
例外はある?
人手不足のサービス業、シフトに入る
人員の確保は大切。
高校生と言っても、お店が忙しくなってしまった場合、
仕方なく長い時間働いてしまった
なとどいうことはないのでしょうか?
例えば10時間まで労働時間を延長した場合、
法律に違反することになるのでしょうか。
労働基準法では、1日の労働時間以外に、
1週間の労働時間も定めています。
以下の条件を満たしていれば、
1日単位で10時間まで勤務時間を
延長することが可能です。
・1週間の労働時間が40時間を超えないこと
・1週間のうち、1日の休日に加え、もう
1日の労働時間を4時間以内に短縮すること
(その場合は0時間でもよい)
最後に
平日は部活もある息子の場合、
実際にアルバイトをするのは
休日がメインになりそう。
色々話した結果、本人が選んだ
アルバイト先は「コンビニ」。
早速履歴書を書いていました。
日頃使うことが多いので、
入りやすい職場なのかもしれませんね。
心配するほどシフトに入ってしまうような
ことはないと思いますが、
法で区分されている通り年少者。
くれぐれも生活に支障のない範囲で
バランスよく社会勉強してほしいものです。
「稼いだお金で将来留学がしたい」
実はこんな目標があった息子。
こんな話が出来る良いきっかけになりました。