会社の後輩のAさんが、憂鬱そうな様子で、
話しかけてきました。
彼女は結婚2年目で、子供はまだいません。
最近、ご主人の実家と、同居についての話が、
出ているのだそうです。
「今のところは、『いずれ・・』という
曖昧な状況、なんですけど、
多分、子供が出来るのを機に、
急に話が、進むんじゃないかと思うんです。
主人の実家と同居して、うまくやっていけるのか
不安で今はまだ子供を、考えられないんです。」
義実家での同居と聞くと、
「何かと気兼ねや、気苦労があるのでは?」
という不安を、感じる人もいるでしょう。
嫁・姑問題とか、よく聞きますもんね。
私は今は、主人の転勤で別居していますが、
結婚当初から、主人の実家で義父母と
同居していました。
「なに言ってるの!
同居したら子育てが、楽になるわよ。
色んな子育てママの、ブログを見ても、
お義母さんに、子供を預けて
自分の好きなことをして、
生き生き活動してる、元気なママなんかを
良く見るわよ。」
「まだ子供がいないので、子育ての大変さが
今一つ、ピンとこないんですが、
同居したら子育てに、どんなメリットが
あるんでしょうか?」
同居というと、デメリットばかりが目立ちますが、
もちろん、メリットもあります。
特に子どもが生まれたら、同居の方が助かる、
という場合も、実は多いのです。
子育てをしていると、
「こんな時、誰か手伝ってくれたら、
助かるのになあ。」
と思うことが、よくありますよね。
嫁にとってのメリット
「まず、仕事と子育てを、両立させている場合の
メリットを、説明するわね。」
子どもを任せて仕事に出られること
共働き子育て夫婦は、夫も妻も仕事を持ち、
育児や家事に、忙しい毎日を、
送っているものです。
日々、何とかやりくりしていますが、
「子供が急に熱を出して、
お迎えが必要になった。」
「残業になって、帰宅が遅くなった。
買い物や、食事作りをどうしよう。」
といったことは、お仕事しているママなら
だれもが経験することだと、思います。
また、子供が小学校に入学したとしても、
安心できません。
学校から帰宅した、子供のことも心配ですね。
防犯面から考えれば、学校から帰って
子どもが一人で、過ごすのは不安ですし、
勉強や習い事など、教育面も含め、
子どもの世話を、どうするかは
とても気になります。
こんな時、祖父母が一緒にいれば、
ママも安心できます。
「こんな風に、一つ屋根の下で、
育児をサポートしてくれる、義父母がいるだけで、
働きやすさに、大きな差があるわよ。
育児の考え方に、多少の違いがあったとしても、
マメに感謝の気持ちを伝えて、
上手に頼ると、協力を得やすいわよ。」
子供が病気になったとき
「子供が水疱瘡で、保育園を一週間も
お休みしたとき、
仕事を休めない、私の代わりに
義母が面倒を、みてくれたの。
あの時義母が、助けてくれなければ
乗り切れなかったと思うわ。」
働くママにとって、子供が病気のときほど
義母の手助けを、有り難く思うことは
ないと思います。
「絶対に休めない日に限って、
子供が熱を出した」といった
最悪な状況を、想像してみれば、
同居の利点を、心底実感できるのでは
ないでしょうか。
「もちろん、仕事してないママにとっても、
メリットはあるわよ。」
自分が病気で家事が出来ないとき
ウイルス性の胃腸炎等の、
感染力の強い病気に、罹ってしまい
子供や主人に移る、恐れがあったとき、
義母は寝室にこもって、
ゆっくり休むようにと、言ってくれ
家事一切を、肩代わりしてくれました。
イザというときは、義母が「主婦」として
家事を仕切ってくれるのも、
同居のメリットの一つだと、思います。
子育てのサポートを受けられること
「子供のおむつが、1歳で外れたのは、
義母が『焦らなくても、大丈夫』と、
励ましてくれた、おかげだと思うわ。」
育児の先輩である義母は、
子育てに行き詰まるたびに、テンパる私に、
的確な助言を、してくれました。
初めての子育てでは、分からない事だらけで、
不安になる事も、山ほどあることでしょう。
又、育児の悩みは、赤の他人には
打ち明けにくいことも、あると思いますが、
わが子を一緒に、見てくれている人になら
親身になって、もらえそうです。
「昔の子育てと、現在の子育ての
意見の食い違いで、多少の衝突もあったけど、
迷った時や困った時、すぐに相談できると
いうのは、本当に助かったものよ。」
外出時に子供を預かってもらえる
子供にも兄弟が、できたりすると、
学校行事や、ちょっとした用事など、
身軽に一人で、外出したい場合もでてくるもの。
全てを、お願いできなくても、
そんな時に、ほんの少しの間だけでも、
子供(孫)を預かって、もらえれば助かりますね。
しかも、同居しているので、
わざわざ、来てもらったり、
預けに行ったりする、必要もありません。
又、やむを得ず、幼い子供だけで
留守番させなければ、ならない時にも、
祖父母の協力があれば、安心です。
子供にとってのメリット
「ママにとってだけじゃなく、子供にとっても
同居はメリットがあると、考えられるのよ。」
子供に逃げ場になる
核家族で親と子供だけだと、
家庭が狭い世界に、なりがちですが、
ゆとりのある祖父母が、同居していると、
子供にとって、苦しいときの
逃げ場になります。
「ウチの子供は、親に叱られると、
すぐに祖父母のところへ、逃げ込んでいたわ。
その頃の私は、祖父母が孫を、
甘やかしすぎだと、思って
あまりいい気は、しなかったけど、
今思うと、子供も私も、冷静になるために
必要な時間だったんだ、と思うな。」
親だって人間ですから、叱った後は
「はい、これでもうお終い」と気持ちを
切り替えられない、ことも多いものです。
そんな時、おじいちゃんやおばあちゃんが、
泣きべそを、かいている孫に
「ママに、叱られたかな?よしよし」と言って
無条件に、慰めてくれます。
自分をいつでも、受け入れてくれる場所がある
ということは、子供にとって
とても大切なことだ、と思います。
祖父母からの教育効果
祖父母が、父母世帯と共に、孫を育てることを
「孫共育(まごきょういく)」と呼び、
最近では「手伝う」というより、
「おじいちゃん・おばあちゃん」が
かなり積極的に、育児に関わっている様子が
見て取れるといいます。
祖父母と、同居していることで、
昔からの流儀や慣わし、
生きるための知恵などを、教えてもらえますし、
人とのお付き合いの仕方、きちんとした挨拶や礼儀、
他者への思いやり等を、身につけることも
できそうです。
「ウチの子供も、小さい頃から
『挨拶が、キチンと出来る』
『年配者と自然に、話しができる』ということで、
ご近所のご年配の方から
よくかわいがって、もらっていたのよ。」
同居は「家庭教育の一貫」だと
いうことも、できますね。
祖父母にとってのメリット
同居は、親世帯だけでなく、祖父母にも
よい影響が、見られると言われています。
年齢の離れた孫と、接することで、
日々ほどよい刺激を受け、
孫の世話をすることで、毎日の生活に
適度な張り合いが、生まれるといいます。
孫と同居している祖父母ほど
「よく話すようになる」「よく笑うようになる」と
いった生活変化が、多く見られるそうです。
つまり、孫と関わりが深いほど、
祖父母は生き生きとして、明るくなるとも
考えられそうですね。
さらに、祖父母からすれば、一緒に住むことは
「同じ屋根の下に、家族がいる」という安心感を
得られるという、大きなメリットがあります。
終わりに
義実家での同居は、義母に上手に
頼ることができれば、仕事も家事も育児も、
かなりラクになりますよ。
自分ができないことは、
素直にお任せする、大らかさが、
同居を成功させる、コツかもしれません。
核家族化で、育児のプレッシャーを
ママ1人が、負ってしまっている場合も
多いと思いますが、
同居であれば、育児の担い手が
複数いることになります。
上手に付き合えれば、
「祖父母も楽しい」うえ、「パパ・ママも楽」な
ラッキーな関係も、築けるかもしれません。
夫との両親との同居。
頭から拒否する前に、メリットとデメリットについて
考えてみても、いいかもしれませんよ。