デネブとアルタイルとベガの神話とは?七夕との共通点は?

知りたい事

「あ!織姫様と彦星様だ!
9月の方が、天の川も
よく見えるね。」

小4の息子と夜の9時頃に
天体観測をしていた時のことです。

「そうそう、夏の大三角って、
9月位が見つけやすいのよ。

この頃になると、子供が起きていられる
夜8時から10時くらいに、夏の大三角が
丁度真上に見えるの。」

「夏の大三角って知ってる!
デネブと、アルタイルと、ベガでしょ?

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でもこれって織姫様と
彦星様
とは別なの?」

どうやら、息子は星の名前と七夕の
整理がついていないようです。

そこで3つの星の神話と、日本の七夕の
共通点について
調べてみました。

3つの星の神話とは?

夏の大三角とよばれる三つの星。

  • はくちょう座のデネブ
  • わし座のアルタイル
  • こと座のベガ

夏に見られる三つの星を結ぶと、
丁度二等辺三角形に見えることから、
この様に呼ばれています。

その星にまつわる神話が、ギリシャには
多く残されており、今に語り継がれて
います。

はくちょう座のデネブ

十字型のはくちょう座。
この白鳥の尾にあたる位置に
デネブはあります。

デネブはアラビア語の語源で、
「めんどりの尾」を意味します。

この星座の数ある神話のうち、
最も有名なのが、白鳥に変身した
大神ゼウスの説です。

ゼウスがスパルタ王妃レダに
惹かれ、白鳥に変身してレダに
近づき誘惑しました。

その後、人妻であるレダは、
4つ子を授かります。

何と、2つの卵から
男の子2人、女の子2人が
生まれてきました。

この双子の男子が、ふたご座である、

ポルックス(神ゼウスの子)と
カストル(人間のスパルタ王の子)

だとされています。

わし座のアルタイル

翼を広げたわしの背中辺り
光っているアルタイル。

アルタイルの語源は、アラビア語で
「飛ぶ鷲」だそうです。

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この星の神話では、ゼウス
鷲に変身した説が有名です。

トロイの国に住む絶世の美少年
ガニュメデスに惹かれたゼウスは、

鷲に変身し、神々の山オリンポスで
給仕をさせるために、ガニュメデスを
連れ去りました。

神に仕えることを快諾した美少年
ガニュメデスも、父と母に心残り
あったため、

ゼウスは、両親がいつでもガニュメデスを
見られるように、水瓶をかついだ
本人の姿を星にした、というものです。

こと座のベガ

ベガは、こと(西洋の竪琴)が
モチーフになっている星座の
星の一つです。

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ギリシャ神話では、この琴の
持ち主であるオルフェウス
亡き妻に対する愛のお話が有名です。

琴の名手であるオルフェウスの
最愛の妻が、森で毒蛇にかまれ
落命します。

悲嘆にくれ、妻を追って
冥途に来たオルフェウス。

冥途の王ハデスに、琴を奏でながら、
妻を返してくれるよう嘆願します。

琴の音に感心したハデスは、
オルフェウスの妻を
地上に戻すかわりに、

地上に出るまでは、決して後ろを
振り向かない事
を、オルフェウスに
約束させました。

いよいよ後一歩のところで
地上へ出る時です。

自分の後ろにちゃんと妻が
着いてきているか心配になった
オルフェウス。

ハデスとの約束を忘れ、後ろを
振り向いた瞬間に、妻は冥途へ
戻されてしまいました。

落胆するオルフェウスの悲しみは、
ついに自分の身を川に投げる
至ります。

川に流された琴を、ゼウスが
拾い上げて星にしたということです。

七夕との共通点

七夕の織姫と彦星、日本で馴染み深い
この星について見てみましょう。

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織姫がこと座のベガで、
彦星がわし座のアルタイルです。
天の川が二人の間に横たわっています。

年に一度の七夕の日に、
二人は会う事が許されます。

しかし、七夕の夜に雨が降ると
増水し、二人は会うことが
できません。

悲嘆にくれる織姫でしたが、
沢山のカササギ(鳥)が飛来し、

天の川に翼を連ねて
をかけてくれたのです。

こちらは、織姫と彦星を逢せる
かささぎの橋を盛り込んだ短歌です。

かささぎの 渡せる橋に おく霜の
白きを見れば 夜ぞ更けにける

現代訳:
織姫と彦星を逢せる為に、かささぎが
翼を連ねて橋を渡したという天の川。

天の川に散らばる星(霜)
冴えた白さに、夜が更けたのだなぁと
感じてしまう。

こちらは、『新・古今集』の
中納言家持(大伴家持)の歌です。

天の川で二人の渡し役となったかささぎ
こと座とわし座の間にある白鳥座の白鳥

東洋と西洋で、同じ星の位置で、
種類は違えど同じに思いを馳せたのは、
興味深い共通点です。

まとめ

「ギリシャ神話って、一つの星の神話から
別の星座にまで話がつながって、何だか
スケールが大きいね。

西洋人も東洋人も、昔の人って、
空を見上げて、色んな想像を
してたんだねぇ。」

と星を見ながら感慨深げな息子。

「昔はテレビもスマホもないんだもの。
想像力が豊かになるはずよ。

神話しかり、短歌しかり、
想像力の産物よね。」と私。

と、息子がぼそりとつぶやきました。

「はくちょうの 見渡す端に アルタイル
琴(こと)のベガ見て 夜ぞ減りにける」

「何? 家持短歌、パクったりして。
で、その『減りにける』って何?」
と聞くと、

「腹だよ。」と息子。

花より団子、月より団子、
星より食い気の息子です。

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