「今日ね、会社の後輩が、課長に
仕事指示されたの。そしたらね、
『了解しました!』だって。
体育会系の元気な男の子だから、
『そんなもんかなぁ。。』って、
思ったけど。
私の方がヒヤヒヤしたよ。
なんか軽い感じ。
違和感あるんだよね。」
社会人の娘が、
会社の後輩の敬語について、
私にぼやいてきました。
違和感を感じる敬語。
これには、パート先でお局である私も
経験がありました。
これまた入社したての若い子が、
「この書類の提出期限、
2日後とさせて頂きます。」
と突然メール連絡をよこしたのです。
『~させて頂きます』
このフレーズ、言葉は丁寧だけど、
何かムカついてしまって。。
娘も私も何かしっくりこない敬語の
『了解しました』と
『~させて頂きます』。
この2つの敬語の使い方を
調べることにしました。
「了解しました」は失礼?
「了解」という意味は、本来
目上の者から下の者へ許可をする
場合に使われるようです。
ですから、娘が、後輩の子に
違和感を感じたのも
うなづけます。
では、仕事上、どんな風に
上司や目上の方、お客様などに
返答すればよいのでしょう?
- わかりました
- 承知しました
- かしこまりました
この3つの言い方がよいようです。
視聴率40%をたたき出した
ドラマ『家政婦のミタ』。
家政婦である立場を徹底した
松島菜々子演ずる三田灯の名台詞。
「承知しました。」
きっとあれが
「了解しました。」だったら?
家政婦じゃなくて、
戦隊ヒーロー。。??
無表情で繰り出すスーパー家政婦ぶりも
視聴者の心にあれほど響いて
こなかったのでは?と思われます。
「~させていただきます」は適切?
では、最近よく耳にする
「~させていただきます」という使い方。
どんな場面で使うのが適切なのでしょう?
適切な場面とは?
- 相手の許可をもらって行う
- そのことによって相手から恩恵を受ける
この状況にあれば、
「~させていただきたく」でOKです。
例をみてみましょう。
上司に部下が、自宅から出張先に
直行してもよいか聞いている場面です。
相手(上司)に直行の許可をもらい、
直行すると自分に都合がよいという、
恩恵を受けていますね。
なので、適切な使われ方です。
では、間違った場合はというと?
企業の新商品発表のプレゼンの場面です。
発表する許可をもらう相手は?
プレゼンを聞くために来場した
お客様では不自然です。
つまりここでは、
許可をもらう相手がいないのです。
なので、ここは、
「新商品を発表いたします」
が自然です。
不適切な場面とは?
この表現が、相手を
不快にさせてしまう場面とは
どんな時でしょう?
目上の相手に、こちら側で決めたことを
伝える場合です。
明日回収するという
決定事項を、目上(上司、
お客様など)に伝える場面です。
「え?いきなり・・?」とびっくり。
この言い切りの形は何でしょう?
なんとも高圧的に受け取れます。
「回収させていただけますか?」なら相手に
許可をもとめ、自分も回収作業に入れる
恩恵をうけるので、違和感はありません。
「アンケートの回答を頂けますか?」は、
「~させていただく」を使わずとも
敬意は表せますね。
まとめ
「この前の「了解」男子ね、
課長にやっぱりお説教されてたよ。
『ここは、部活じゃない!』だって。」
娘が会社の様子を話してくれました。
「敬語って難しいわね。
あ、そういえば、あなたお弁当箱、
早く出して洗いなさいよ。」と私。
「あ!『承知しました!』。」とあわてる娘。
「よろしい。
お弁当つくってもらってるんだから、
立場を考えなさいねー。」
と娘をいじる私でした。