中学生になった娘がテスト前だというのに家でダラダラしていたので、図書館にでも行って勉強してくるように勧めてみました。そうしたら「図書館で勉強しちゃいけないんだよ。」と思いがけない返事が。
私たちの学生時代は当たり前のように図書館で勉強していましたが、最近は事情が違うのでしょうか。最近の図書館事情を調べてみました。
図書館で勉強禁止はなぜ?
私の感覚では図書館で勉強禁止なんてあり得ませんでしたが、最近は児童や学生の勉強を実際に禁止している図書館が多数あるということです。
自習しにきた学生は朝から来て延々と座席を占領します。禁止しないと一日中席が埋まってしまい、一般の利用者が閲覧スペースを使えなくなってしまう、というのが主な理由。
更に中学生くらいだと勉強しに来た同級生とおしゃべりになったり、迷惑になる場合も多々あるようです。公共の施設である公立図書館は、赤ちゃんからお年寄りまで、幅広い世代に広くサービスを提供するべきものです。
特定の利用者層が占領してしまうのは、本来の目的から離れてしまうのです。図書館の資料を使っての勉強ならまだしも、資料を持ち込んでの学習では、ただ場所を占領しているだけなので、閲覧スペースを使用する理由がありません。
あまり知られていませんが、図書館で学生の自習を禁止する動きは、なんと昭和45年ごろから始まっていたとか。
「図書館は場所を貸すためでなく、読書する場である」という考えから、勉強スペースを廃止する動きが広がったそうです。意外と歴史の古い問題だったのですね。
それでも図書館で勉強したい
けれど静かで落ち着いた図書館のような環境で勉強したい学生は多く、この傾向に反対する声も多く聞かれるとか。
いくらみんなの施設だからといって「居眠りするのは容認されて、学生が勉強することだけを禁止するのはおかしい」という意見もあります。
当然のことですが、たとえ図書館で勉強が禁止されていたとしても、勉強自体が悪いわけではありません。静かな図書館は自宅よりも集中して勉強できるし、格好のスペースであることは間違いありません。
図書館によっては閲覧スペースとは別に、勉強しに来る学生のために学習スペースを設けているところもあるようです。
但しそれを設置する規模を備えた大きい図書館に限って可能な方法なので、小さな図書館ではどうしてもそういう訳にもいかないようですが。
マナーの問題
本来、図書館で静かに学習する学生自体は、それほど目に余るものではないはず。けれど禁止を要求するような声が上がるには、それなりに理由があるかもしれません。
例えば朝早くから並んで開館と同時に席を占領してしまったり、席が空くのを待っている人がいても荷物を置いたまま席を外して休憩など、マナー違反と言わざるを得ない行為があると放っておけない問題になってしまいます。
図書館と同様に学生の勉強スペースとしてよく使われる場所として、ファミレスやコーヒーショップがありますが、こういったお店でも同様に勉強を禁止する店が出てきているとか。
本来食事やコーヒーを提供するお店では、それを目的にやってくる客を優先したい。それなのに学生に占領されて、せっかく来店した客の席が用意できずに不自由な思いをさせることは、不本意なことなのです。
空いているときならいざ知らず、待っている人がいるときにはあまり長々と占領するのも考え物。どんな場所でも気持ちよく使うためには、最低限のマナーを意識するべきでしょう。
さいごに
勉強と言っても、そうそう集中力が続くものでもありません。時間を決めて図書館やお店を利用したり、メリハリをつけて生活の中に勉強時間を作って効率よく行うことも大切だと思います。
せっかく勉強に適したスペースなのに利用できないなってもったいない。学生の占領と同様、図書館の閲覧コーナーで居眠りするのもルール違反。みんなでルールを守って上手に使えるといいですね。