仲良しのお隣さんのママ友と立ち話を
した時に、社会人3年目になる彼女の
息子さんの話になりました。
一人暮らしも始まって、あまり顔を
見ることもなくなったので、最近の
様子を尋ねたら、
「仕事は忙しくしてるようだけど、
最近アトピーが再発したみたいで。
一人暮らしだし、心配なのよね。」
と、ため息混じりに打ち明けて
くれました。
彼女の息子さんは、子供の頃に随分
アトピー性皮膚炎で苦労したのですが、
成長とともに症状も軽減。ですが、
どうやら社会人になって再発した様です。
ママ友も、一度は良くなったアトピーが
再発した原因が分からず、困っている様子。
そこでおせっかいとは思いつつ、
大人で再発するアトピー性皮膚炎の
原因とその対処方について、
調べてみる事にしました。
大人で初めての発症はない
アトピー性皮膚炎は、乾燥で肌の
バリア機能が失われ、慢性的な痒みに
悩まされる皮膚の病気です。
アトピーの原因として、遺伝的要因と
環境的要因がある様です。
遺伝的要因とは、アレルギー体質という
意味で、ある特定のものに過敏に反応
してしまうことです。
環境的要因とは、アレルゲンとなるダニや
花粉、ホコリなどを指します。
元々アレルギー体質(遺伝的要因)で、
子供の頃にアトピー性皮膚炎を患い、
成長とともに症状が軽減していくのが、
従来までのパターンだったのだとか。
それがここ最近、大人になってから
再発するケースが多い様です。
ですから、大人になって初めてアトピーに
なることはまずない様で、思いかえすと、
そういえば子供の頃は、肘の内側や膝の
裏側が痒かったなど、アトピー特有の
症状が出ていた事に気づくようです。
大人で再発する原因は?
では、なぜ一旦良くなったはずの
アトピー症状が大人になってから
再び出てきてしまうのでしょうか?
免疫バランスの崩れ
人間の免疫システムは、本来とてもよく
出来ている様です。
感染対策用の細胞と、アレルギー対策用の
細胞と、両者をバランス良く保つ調整役の
細胞の3つがあるのだとか。
この三者の量が上手く釣り合った状態で
あれば、症状は出にくいのですが、
何かの要因でアレルギー対策用の細胞が
過剰に増えてしまうと、バランスが崩れて
アトピー症状が出てしまうのだそうです。
崩れの原因
バランスが崩れてしまう原因としては、
やはり精神的なストレスや不規則な生活、
不節制な食生活などにある様です。
受験や資格試験、仕事上のプレッシャー
嫌な上司に職場での人間関係、
昼夜逆転した生活スタイル、
丼モノばかりの 外食など、
気づけば精神的、身体的に良くない
生活スタイルを送らざるを得ない大人達。
子供の頃は、親が栄養に気を使った御飯
を用意してくれて、規則正しい学校生活
がありました。
親元を離れて一人暮らしが始まると、
日々の仕事に精一杯で、食事の用意
もままならなくなるものです。
十分な睡眠もとれなかったり、家族に愚痴
をこぼせずに精神的なストレスを溜め込ん
でしまえば、
確かに体調も免疫システムのバランスも
崩れてしまうのは、納得出来ます。
アレルギーの要因
アレルギーの要因となるアレルゲンは、
先述したアトピー性皮膚炎の環境的要因
にあたります。
例えばこんなアレルゲンが要因になって
いる様です。
- ダニ
- ホコリ
- 花粉
- 洗濯槽内の黒カビ
- 界面活性剤入りのシャンプー、
洗濯洗剤
この環境的要因も、大人になれば一人
暮らしで、親元で暮らしていた環境と
様変わりします。
実家では、アトピー対策にと親が懸命に
ダニ対策で親が布団を干してくれたり、
こまめに部屋の掃除でホコリをとったり、
エアコンのフィルター掃除や、洗濯槽内
洗浄だって定期的にしてくれています。
一人暮らしではなかなかそこまで手が
ゆき届きません。
本人や周り人が薬以外で出来る事
残念ながらアトピー治療は、痒みを抑える
ステロイド剤の塗り薬と、保湿剤で症状を
緩和する方法が一般的。
根本的な治療法は未だにない様で、それ故
これを使えば痒みから解放されるなどと
アトピー商法も横行している様です。
信頼出来る皮膚科のお医者様と、根気
よく治療していくしかないようです。
痒みもさることながら、見た目も気にして
人前に出る事をためらったりしてしまう
事も。
本人や家族が出来る事としては、
こんな事があるようです。
- 精神的なストレスを溜め込まない
- 食生活、生活スタイルを見直す
- 周囲の配慮
- 環境的要因を遠ざける
- 布団干しは大型コインランドリー
で丸洗い後に乾燥でダニ対策。 - 界面活性剤入りの洗剤や
シャンプーは使わない。 - 洗濯槽内洗浄をして、クロカビ
を除去。
免疫システムはもとより、体調を良く
するためにも心の負担を軽くする事を
心がけます。
家族に愚痴をこぼすでもいいでしょう。
上手に気持ちを切り替えます。
なかなか気持ちを吐き出す相手や場所も
ない場合は、
落ち込んだ事など日記にして書き出すと、
自分を客観視できて気持ちを落ち着ける
事が出来ます。
一人暮らしだと見直すのもなかなか大変
ですが、週末に自炊で作り置きしたり、
一時的に実家にお世話になる方法も。
魚中心の根菜類が多い和食が理想とされて
いる様です。
一から手作りするのは難しいですから、
惣菜コーナーで持ち帰る時や、外食でも
このスタイルにあったものを選びます。
ただでさえ痒みでなかなか眠れないもの。
十分に睡眠をとるために、仕事もここまで
とある程度で区切りをつけましょう。
本人は、自分がアトピー である事を鏡で
顔を見るにつけ、痛感させられます。
気にしているところをもって、家族や
周囲から、「何だか、酷くなったんじゃ
ないの?大丈夫なの?」と、
可哀想目線で見られると傷つくものです。
周囲は極力、アトピー患者である事を
思い出させない言葉がけをしたいもの。
腫れ物に触る風ではなく、気分転換になる
ような事や一緒に楽しめる事に誘うのも
いいでしょう。
ダニやホコリなどのアレルゲンを忙しい
中除去するのは難しいですが、出来る事
から始めてみます。
まとめ
お隣さんのママ友の息子さんが久しぶりに
実家に帰って来ました。
じっくり身体を休めるために、しばらくは
実家から仕事に通うそうです。
ただでさえ、眠れぬ程の痒み、
見た目からくる精神的な落ち込み、
終わりのないアレルゲン対策と、
アトピー患者の方が抱える心労や
身体的な苦痛はいかばかりか、
本当に大変なものです。
そこへもって、その息子さんは社会人に
なり、ずっと緊張の連続だった
のかもしれません。
精神的な重荷を下ろして、ホッと
一息入れて欲しいものです。
沢山の研究機関がアトピーについて、
研究をしています。
いつかは、アトピーが根本治療出来る
日が来ると前向きに信じながら、
ストレスとアレルゲンと上手に付き合う事、
周囲も協力していく事が大切なんだなと
思いました。