「出席日数が足りなくて、
このままだと中学留年ですよ!って
担任から言われた」
先日、中学3年生の息子のいる
友人からいわれ、ビックリしました。
保健室登校をしているとは、聞いていましたが、
実際は、それ以上に、
登校している日は、少なかったみたいです。
「義務教育でも、留年ってあるの?」
と、不思議に思いました。
わたしが中学の頃は、不登校のコでも
私立高校には、進学できていたので、
「先生の、ただの脅しじゃないの?」
なんて、あまり深く考えませんでした。
ただ、すこし気になったので、
義務教育の留年と、出席日数の関係に関して
調べてみました。
義務教育でも、出席日数が足りなければ留年はある?
中学で、ほぼ出席日数がなく、
成績も、一定の基準を満たしていない場合、
中学校での、留年(原級留置)があるかどうかを、
心配される親御さんも、いるでしょう。
または、
学校側や担任から、条件を突きつけられる場合も
あります。
それを満たせなければ、留年になりますよ!
なんていわれたら、焦ってしまいますよね。
しかし、実際には
留年させる権限が、校長にあっても、
義務教育下では、留年はほぼ考えられません。
現状、中学校における、留年(原級留置)は
事実上ありえない、といえます。
※原級留置とは、何らかの理由で進級せず、
同じ学年を、繰り返して履修すること。
一般的に、落第や留年に対する公式の表現。
(以降「留年」と表記)
進級と進学の条件について(公立の場合)
- 小学校: 基本、出席日数が重要だが、
出席日数・成績に関係なく進級・卒業可能。 - 中学校: 基本、出席日数が重要だが、
出席日数・成績に関係なく進級・卒業可能。 - 高校:出席日数と成績で進級・卒業・進学が可能。
しかし、高校に進学する際には、
出席日数・成績によって大きく左右される。
本来、義務教育である、小・中学校では、
年間60日以上の、欠席がある場合や、
一定の学力を、満たしていない場合。
進級時に学校長が、長期欠席や成績不良などを
理由に、留年にするのかどうかを、審議します。
留年にあたる場合は、
本人と保護者に、意思の確認をします。
最終的には、本人と保護者の意志を
重視して、留年するかどうかを決めます。
本人の意思重視ですから、ほとんどの場合、
小・中学校で、不登校状態にあっても
「原級留置」はせず、進級し卒業することが可能です。
しかし、一部、私立の小中学校では、
欠席日数や成績などによって、留年もありえます。
その場合、
ほかの私立や公立へ、転校を勧められますから、
現状、義務教育下での留年は、ないといえます。
学校側が脅しで、留年をチラつかせてきたら?
信じられないことですが、学校側が条件を
突きつけ、これ以上、登校しない場合は留年させる。
と脅す場合が、じつはあるようです。
しかし、その場合でも、進級は可能です。
留年するかどうかの、意思確認がありますし、
もし、留年が決まった場合は、
校長は教育委員会に、報告する義務があります。
万が一、脅された場合は、
進級(卒業)を希望していたのに、校長がそれを
しりぞけた。
と、進級(卒業)に突きつけた条件を、
校長印ありの公式文書として、出すように
求めましょう。
そうすれば、学校側の対応は変わるはずです。
逆に、生徒と保護者が、
留年を、つよく希望した場合に限り、
その措置が、取られることはありえます。
しかし、その場合でも現実には、
学校側が拒否することが多くあります。
さいごに
どうしても、登校してもらいたいがために、
学校側は、簡単に「留年」という言葉を
使ってしまうことも、あるかもしれません。
しかし、不登校を理由に、
留年をチラつかせる、なんてことは教育者失格です。
現在、いろんな理由で、学校に行きたくても
行けない生徒も多くいます。
凝りかたまった価値観を、押し付けようとする
教育者は、教育者失格といわざるえません。
しかし、高校受験に近づいてから慌てても、
無駄にした時間は、返ってこないのもたしかです。
もちろん、
成績が良ければ、学校に行かなくてもいい、
というわけでは、ありません。
また、遅刻が多かったり、保健室登校や、休み
休みの登校といった、不登校の前兆と思われがちな
行動も、根本的には不登校とかわりありません。
小学生のうちに早い段階で、不登校を
しっかり克服しておくことが、大事になります。
時間を無駄づかいしないように、不登校の問題を
親子で真剣に取りくむことが必要になります。
勉強のこと、先生や友達との人付き合いのこと、
または健康のこと。
根本的な原因と、向きあうことで、
早く、解決できればいいと思います。