若い頃には老後の生活にも不安を感じていなくて、何とかなるでしょ、という気持ちが強かった気がします。人生設計なんてなくたって、とりあえずは大丈夫なんじゃないの?なんて気楽だった頃が懐かしいです。
仕事のことだって、この先いつでも働けると思っていたけれど、年を重ねていくうちにそんな気持ちは持っていられない現実に不安を感じていきます。老後の生活、どうなるんだろう?
今のうちにしっかり貯蓄しておくとしても、漠然とした老後の金銭的な不安がいつも心をモヤモヤさせます。老後の大事な資金になる私の年金っていくらもらえるんでしょうか?年金を多少なりとも当てにして老後の生活を考えている人って結構いると思います。
どうしても気になるので、年金の金額について調べてみました。
年金ってどんな仕組みなの?
年金って、どんなものなんでしょう。年金はもらえるもの、と安易に考えていていまいち本当のところを知っていないことが多いですよね。老後の不安を解消するためには、まずは年金の基本的なことを知ることからですね。
今一度、年金の基本についておさらいしてみましょう。
年金は3層構造
日本においては、20歳~60歳未満の国民は国民年金に加入することになっています。この年金のことを基礎年金と言います。
基礎年金は年金の3層構造の土台で、その上にある2層の年金については、その人の職業などによって3つに分類されています。
年金の加入を職場を介している、会社員や公務員などは「第2号被保険者」といいます。その第2号被保険者、つまり会社員や公務員の被扶養配偶者で年収が130万円未満の人は「第3号被保険者」となります。
それ以外の自営業や学生、アルバイトの人などは、「第1号被保険者」となります。
上の図のように、第1号~第3号被保険者の年金には積み立て方にも違いがあります。だから、65歳になった時に給付される年金は人それぞれとなるんですよ。
では、一番の土台になっている基礎年金とは、65歳になった時にいくら給付されるのか詳しく見ていきましょうね。
基礎年金はいくらもらえるの?
基礎年金は、20歳~60歳の40年間納付するようになります。そして40年で満額となりますが、支払った額や年数によって65歳からの受給額が変化します。しかし、誰でも給付されるわけではなく、基礎年金は25年以上納付しないと1円たりとも給付されません。
平成29年度は基礎年金は満額支給で779,300円
基礎年金の受給額は、年度によって変化しています。ちなみに、平成29年度の受給額は、満額で年額779,300円、ひと月あたりだと64,941円程度となっているんです。
しかし、20歳の時に学生だったという理由などから順調に満額を納付できない場合もあります。その場合には、納付した期間や納付の免除期間に基づいた計算方法に則って給付額を決定しています。
参考までに、平成27年の基礎年金受給額の平均は、ひと月あたり55,000円程度になっています。
そして、さらに基礎年金に加えて国民年金基金や厚生年金などの年金の2層目3層目の年金の受給額が上乗せされます。しかし、厚生年金は加入期間数の他に、加入期間中の平均給与によって変化するため、計算方法が複雑になります。
なかなか個人では、厚生年金の受給額を正確に計算することは難しいと言われていますが、大体自分はいくらぐらいの厚生年金を受給できるのか調べるための目安となり計算方法があるんですよ。
厚生年金はいくらもらえるの?
あくまでも、厚生年金のおよその受給額をイメージするためのものですが、簡単な計算式があります。
この計算式に当てはめて計算してみると、
(例)
- 平成15年4月までの平均月給が20万円、厚生年金に加入していた期間が5年
- 平成15年4月以降の平均月収が35万円、厚生年金に加入していた期間が30年
上記のような場合の受給額は、
30(万円)× 900 × 10(年)+ 45(万円)× 600 × 25(年)
= 27万円 + 67万5千円
= 94万5千円となります。
ひと月あたりは78,000円です。基礎年金に厚生年金の受給額を上乗せしてみると、公的年金のおおまかな受給額のイメージがわいてきますよね。
年金の状況を確認する方法
現在までの年金の加入状況や納付額、加入実績に応じた年金額を1年に1度知る機会があります。自分の誕生月に送付されてくる「ねんきん定期便」で確認することができます。
また、スマホやパソコンで自分の年金の現状を確認することができます。「ねんきんネット」に登録すると、今までの年金についてや将来の年金の見込み額の算出もすることができますよ。
https://www.nenkin.go.jp/n_net/
簡単な操作で現状や未来の年金のことが把握できるので、登録しておくと便利ですよ。
まとめ
さっそく、今年の自分の誕生月に送付されてきた「ねんきん定期便」を引っ張り出して、再確認してみました。こうやって見てみると、何歳まで私生きるんだろう、余裕のある老後のためにはもっとお金はあった方がいいんだろうな、と思いました。
このままじゃいけない!自分で着実に貯蓄をしていくことがどれだけ大切なのかを再認識できました。自分に喝を入れるためにも、あるいは不安を取り除くためにも定期的に年金の状況を知っておくことは重要だと思いました。